2026/09/28
乗客は1便平均0.9人 目標の5人に遠く及ばず 静岡市の小型バスが1年で運行終了
■静岡駅と県立総合病院を結ぶ小型バス 1年間の実証実験
静岡駅と県立総合病院を結ぶ小型乗合バスが、9月30日で運行を終了する。静岡市が1年間の実証実験として運行してきたが、利用者数は目標の人数を大幅に下回った。
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静岡市によると、昨年10月から今年5月までの実績では、1便あたりの乗車人数は目標の平均5人に対して0.9人にとどまり、利用者1人が1回乗るごとにかかった行政負担は3956円に上った。市は利用促進を続けてきたものの、目標とする乗車人数には遠く及ばないとして、実証期間の終了に合わせて運行を終える。
小型乗合バスは昨年10月1日に運行を開始した。超高齢社会の進展で医療・福祉施設への移動需要が増えていることに加え、同年9月30日に「駿府浪漫バス」が運行を終了し、アクセスの利便性が低下する地域の需要に対応することなどを目的に導入を検討。将来的には民間事業者による運行を想定し、利用ニーズや事業採算性を確認するために1年間の実証実験を始めた。
路線は静岡駅と県立総合病院の間を結び、西千代田、城東保健福祉エリア、アイセル21、中町などを通る。10人乗りのハイエース1台を使い、乗車定員は9人。平日の午前9時から午後5時まで1日6往復し、運行業務は見積もり競争で決まった静鉄タクシーが受託している。

静岡駅を出発したバスの終点は県立総合病院
■1便あたりの利用者0.9人 行政負担3956円
市が利用者数の目安として設定したのは、1便あたり平均5人だった。自主運行バスやバス路線維持費補助金など、ほかの公共交通に対する行政負担額との均衡を考慮した人数で、沿線の自治会連合会には1便5人程度の利用がなければ継続運行は難しいと事前に説明していた。
しかし、昨年10月から今年5月末までの実績は1便あたり平均0.9人。月別で最も多かった今年3~5月でも平均1.1人だった。便別でも最多は1.3人で、12便すべてが目標を大きく下回った。午前9時に静岡駅を出る便は平均0.3人、午後4時30分に県立総合病院を出る便は0.2人だった。
市は利用を増やすため、バス停へのポップ掲示やJR静岡駅、県立総合病院でのPR、地域住民への説明、ホームページやSNSでの情報発信などを実施した。今年2月16日には、一律310円だった運賃を乗降する場所によって金額が変わるゾーン制に変更。例えば、静岡駅から城東保健福祉エリアまでは210円とし、短距離利用の負担を軽減したが、市は大きな利用者の増加には至らなかったとしている。
採算面でも厳しい結果となった。昨年10月から今年5月末までの8カ月間で、運行経費は662万5400円、運賃収入は39万570円だった。差し引いた行政負担額は623万4830円。同期間の延べ利用者1576人で割ると、1人1回あたりの行政コストは3956円となる。運行経費に対する運賃収入の割合は、単純計算で約6%だった。

バス停の乗り場があるJR静岡駅
■極めて低い事業採算性 9月30日でバスの運行終了
一方、実証実験によって一定の需要が見えてきた地域もある。市によると、静岡駅や県立総合病院に加えて、城東保健福祉エリアや西千代田で乗り降りする人が比較的多く、既存のバス停から距離がある地区では一定の乗車需要があるとしている。
利用が比較的多かった区間には、午前中の西千代田から中町、新静岡、静岡駅方面や、静岡駅から県立総合病院方面、午後の県立総合病院や城東保健福祉エリアから静岡駅方面などがあった。ただ、市はサンプル数が少なく、特定のリピーターの利用が数字に影響している可能性もあるとしている。
市は、医療・福祉施設への移動に焦点を当てた小型の交通手段を試したものの、この路線の利用ニーズや事業採算性は極めて少なく、利用促進の効果も限定的だったと総括した。実証期間が終了する9月30日をもって運行を終了し、利用者や沿線の施設、周辺住民に周知する。
(SHIZUOKA Life編集部)








