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2026/10/03

人口減少率が全国の2倍 企業誘致急ぐ静岡市と経営者に温度差 「甘い」「中途半端」の声も

■静岡市の人口減少率4.99% 市長「ある種、異常」

静岡市の人口減少が、全国でも際立っている。2025年の国勢調査で、5年間の人口減少率は4.99%。全国平均のほぼ2倍となり、20ある政令指定都市の中で最も高かった。難波喬司市長は「完全に加速期に入ってしまった」と危機感を示し、新たな雇用を生み出すため企業誘致を強化する考えだ。ただ、首都圏のベンチャー企業の経営者からは厳しい意見も出ている。

 

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総務省が9月29日に公表した2025年国勢調査の人口等基本集計によると、静岡市の人口は65万8781人だった。2020年の69万3389人から3万4608人減少し、減少率は4.99%となった。全国では同じ5年間に人口が2.52%減っており、静岡市の減少率はそのほぼ2倍となる。

 

20ある政令指定都市で比較すると、人口の減少数は北九州市に次いで2番目に多く、減少率では最も高かった。人口減少のスピードも速まっている。静岡市では2015年から2020年の5年間にも人口が減っていたが、減少率は1.65%だった。今回は4.99%まで拡大した。この結果について、静岡市の難波市長は10月1日の会見で次のように述べた。

 

「人口減少は全国どこにでもあると言われますが、静岡市の人口減少は全国どこにでもあるレベルではありません。減少率が今回4.99%になったということで、完全に加速期に入ってしまいました。静岡市の人口減少率の高さは、ある種、異常だと思います」

 

市の資料によると、生産年齢人口にあたる15~64歳の割合は、政令指定都市では北九州市に次いで低い。反対に65歳以上の割合は北九州市に次いで高く、人口減少だけでなく人口構成にも変化が表れている。

人口減少対策に重点を置く静岡市

■首都圏の経営者「少し甘い」 市が進める企業誘致に疑問

なぜ、静岡市の人口減少がこれほど進んでいるのか。難波市長が大きな要因として挙げたのが、若い世代の流出だ。

 

「直接的な原因は若年層の流出によるもの。その理由は、前からずっと申し上げていますが、新規雇用の創出が不足しているからです」

 

難波市長によると、静岡市内の既存企業は収益を上げ、市内経済も成長しているという。一方、新たな企業の進出などによる雇用の創出が十分ではないとの認識を示した。背景として挙げたのが、企業が進出するための土地やオフィスの不足だ。

 

「静岡市は長年にわたって、企業用の用地を供給してきませんでした。原因が分かっているので、企業用の用地を供給し、新しいオフィスを供給していけば、そこまで減るような街ではありません。対策があり得ると思っています」

 

市は企業誘致などを通じて新しい働く場所を増やし、若い世代の流出を抑えたい考えだ。ただ、企業側から見ると、別の課題もあるようだ。首都圏でベンチャー企業を経営する若手経営者2人に、静岡市への進出について話を聞いた。1人は静岡市を訪れ、土地価格や家賃について調べた経験がある。

 

「土地の価格や家賃を見て驚きました。都心と同じとは言いませんが、近い水準にあります。そこまでの家賃を支払ってオフィスを構え、静岡市を拠点とするメリットを感じませんでした」

 

また、中心市街地を歩いた際は「空き店舗も多く、活気がない印象を受けた」という。企業誘致を積極的に進める考えを示した静岡市に対しては「オフィスを増やしたら企業を誘致できるという考えは少し甘いと感じる」と話した。

オフィスや商業施設が並ぶ静岡駅前

■企業から進出先に選ばれる難しさ 「中途半端」の意見も

もう1人の経営者が挙げたのは、他の都市との違いだ。静岡市は、都市機能と自然の双方が身近にあることなどを街の魅力として発信している。しかし、この経営者は、企業を呼び込むには不十分と指摘する。

 

「首都圏にはないメリットや魅力がないと、首都圏の企業は拠点を移そうとは思いません。補助金を出したり、オフィスを増やしたり、どの自治体も進めている取り組みだけでは競争に勝てない」

 

さらに、こう続ける。

 

「家賃をはじめとする固定費を抑えたい企業は、静岡市よりも物価の安い地域を選びます。その街に魅力を感じて本気で拠点を移したいと考える企業は固定費を気にしないと思いますが、静岡市にそこまで惹かれる要素があるとは思えません。厳しい言い方をすると、静岡市の施策は中途半端」

 

いずれも個人的な評価で、首都圏にオフィスを置く他の経営者が同じ見方とは限らない。だが、企業誘致を進める上で「オフィスを用意すること」と「企業から進出先として選ばれること」は必ずしも同じではないことを示す意見といえる。

 

人口減少そのものは静岡市だけの問題ではない。全国平均の2.52%に対して、静岡市は4.99%。この差が縮まるかどうかが、市の企業誘致策の成果を測る1つの目安になる。

 

(SHIZUOKA Life編集部)

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