2025/09/11
駿河湾フェリー8カ月ぶり“再開” 豪華賞品で赤字解消に道筋は? 県民からは厳しい声
■車両の乗船を9月12日に再開 抽選で賞品当たるキャンペーン開始
乗降設備の損傷で運休していた駿河湾フェリーが9月12日に再開し、豪華賞品が当たるキャンペーンも同時にスタートする。車両の乗船は8カ月ぶりで、乗客の回復を図る。ただ、赤字解消への道は険しく、県民からは厳しい声が聞こえてくる。
乳がん検診の受診や予約でも豪華賞品のチャンス 40~69歳の女性対象
駿河湾フェリーは今年1月、清水港で車や人が乗り降りする箇所に損傷が見つかり、徒歩と自転車の利用に限定されていた。8月末に修理を終えて手続きを済ませ、9月12日から自動車やバイクの乗船を再開する。
車両乗船の再開を記念し、9月12日から12月31日まで抽選で豪華賞品が当たるキャンペーンを実施する。応募方法は清水港や土肥港の窓口で応募用紙を受け取り、必要事項を記入して船内にある応募箱に投函するだけ。ホテル宿泊券や食事券、駿河湾フェリーの年間パスポートや下田海中水族館ペア入場券などの商品に応募できる。
駿河湾フェリーの利用客数は昨年度8万7150人で、前年度から1万2699人減った。運賃収入は6164万円減少の2億8280万円。県や関係市町の負担金でも赤字は解消できず、純損益は4426万円の赤字となった。今年度は自動車の乗船ができなかった期間が長かったことから、3年連続の赤字が予想される。

車両の乗船を再開した駿河湾フェリー
■赤字解消は険しい道 撤退求める県民も
キャンペーンを打ち出して遅れを挽回したいところだが、先行きは決して明るくない。県民からは「ようやく車で利用できる」と再開を歓迎する声がある一方、次のような厳しい声が大半を占める。
「自治体が赤字を埋めてまで運行を維持する必要があるのか疑問。乗客数が大幅に伸びたり、黒字転換したりするビジョンが見えない」
「このまま税金を投入するよりも、引き際を考えた方が良いと思う。船体の修理も必要になってくるし、赤字が膨らんでいくだけ」
「商品が当たるキャンペーンや半額キャンペーンでは根本的な乗客増加につながらない。表面的に乗客数を増やすのではなく、重要なのは収支。赤字から脱却できないなら撤退すべき」
駿河湾フェリーでは豪華賞品が当たるキャンペーンの他にも、サッカーJ1清水エスパルスと連携し、ホームの観戦チケットを提示するとオリジナルグッズがもらえる企画も行う。期間は9月12日から11月30日まで。先着900人となっている。
(SHIZUOKA Life編集部)