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2025/09/17

国勢調査の調査員証紛失 公表遅れに批判噴出 「そもそも必要?」の指摘も

■富士市で調査員証紛失 「かたり調査」に注意

静岡県富士市は、国勢調査の調査員が調査員証を紛失したと公表した。市は「かたり調査」への注意を呼びかけている。市民からは公表まで時間がかかった市の対応や、国勢調査自体の方法に疑問の声が上がっている。

 

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富士市によると、9月5日に開かれた説明会に出席した国勢調査員が受領した調査資料一式を自宅に持ち帰って中身を確認したところ、調査員証がないことに気付いた。その後、自宅や移動経路を捜索したが発見できなかったという。

 

調査員は11日に市へ報告し、再び自宅や説明会の会場、移動経路を探した。翌日は市の職員とともに捜索したが、発見できなかったことから調査員は富士警察署へ遺失届を提出した。市は調査員から紛失の報告を受けてから5日後となる16日、ホームページなどで事案を公表した。

 

調査員証は、国勢調査の際に調査員が訪問相手に提示する。紛失した調査員には調査員証を再発行したという。富士市は「調査用品は厳重に管理するよう改めて指導し、再発防止に努める」とコメントした。また、市民には以下のように注意を呼びかけている。

 

「調査員証は統計調査を装った、かたり調査に悪用されるおそれがあります。調査員は顔写真付きの調査員証を携行していますので、調査員が訪問した際には調査員証の確認をお願いいたします。現在のところ、この調査員証が悪用された事例は確認されていませんが、不審な調査活動等にお気付きの際は、総務課までご連絡ください」

 

■「公表が遅すぎる」 市民から怒りや不満

かたり調査とは、国勢調査など行政機関が実施する統計調査を装って個人情報を聞き出す行為。詐欺をはじめとする犯罪に悪用される恐れがある。市民からは怒りや不満の声が相次いでいる。

 

「紛失すること自体が問題だが、注意を呼びかけるのであれば、紛失が発覚した時点で速やかに公表すべき。公表が遅すぎる。隠ぺいしようという思いが透けて見える」

 

「拾った人が悪用したり、詐欺グループに売り渡されたりする可能性を否定できない。調査員証を受け取った日に紛失するような人に再発行して調査を任せて良いのだろうか」

 

「そもそも、国勢調査の必要性を感じない。調査するのであれば、マイナンバーカードを活用できないのか。調査方法が時代遅れだし、マイナンバーが全く活用されていない」

 

国勢調査は、世帯の実態を把握して行政施策などの基礎資料を得ることを目的としている。1920年から5年ごとに実施されており、今年は22回目にあたる。調査対象は今年10月1日現在で日本に住む全ての人と世帯(外国人も含む)。担当地区の調査員が全ての世帯を訪問し、調査の趣旨を説明して世帯主の氏名などを聞き取る。

 

SHIZUOKA Life編集部)

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