2025/10/24
財政が“危機宣言レベル” 静岡県の説明に県民から疑問 「前知事のツケ?」「給与上げるの?」
■来年度の当初予算で財源不足640億円 試算から130億円増加
「財政危機宣言レベル」と危機感を募らせた。静岡県は来年度の当初予算編成で財源不足額が640億円に上り、前回の試算を大きく上回ると発表した。その要因として川勝平太前知事による予算編成を挙げているが、県民からは疑問が投げかけられている。
県が発表した来年度の財政収支の試算は、歳入が1兆450億円に対し、歳出が1兆1090億円となった。財源不足は640億円となり、今年2月に公表した中期財政計画時の510億円から130億円増加した。想定を超える財源不足について、平木省副知事は危機感をあらわにした。
「もう財政危機宣言というレベルまでいっている危機感を持っています」
平木副知事は“財政危機”の要因として、川勝前知事の時代から続いてきた「自転車操業のツケ」を挙げる。県の財政は恒常的に歳出が歳入を上回っており、赤字地方債に相当する資金手当債に頼ってきた。この構造になったのは今から7、8年ほど前だという。平木副知事は「当時の意思決定の中で、財政健全化に関する将来世代への負担の意識が低かった」と指摘した。

財源不足が深刻な静岡県
■要因は“前知事の自転車操業” 県の説明に県民から疑問の声
税収の上振れを期待するのは難しいことから、平木副知事は「自転車操業」の継続は難しいとしている。事業の見直しや抜本的な改革を進め、資金手当債に頼った財政運営から脱却を図る。ただ、県民からは県の説明に疑問の声が上がる。
「予算案は議会で可決されている。つまり、自転車操業になったのは前知事だけの責任ではない。県の担当部局にも当然ながら責任があるのに、欠席裁判のように前知事のせいにするのはどうかと思う」
「危機的な状況なら、まずは現在の県知事や副知事、職員が身を切る姿勢を見せるべき。税収が減っているなら増やす努力をするのは当たり前で、税収が減っているのに給与を増やすのはおかしい。民間企業なら利益が大幅に減った状況で、従業員の給与は上がらない」
「歳入が少ないのであれば、歳出を減らす方法を考えれば良い。無駄な歳出は山ほどあるように見える」
総務省の地方公務員給与実態調査によると、国家公務員を100として地方公務員の給与水準を表すラスパイレス指数で、静岡県は4年連続で全国トップとなっている。給与水準が高いことに加えて、今月9日には県の人事委員会が月給とボーナスを引き上げる勧告を出したことも県民から厳しい声が上がる理由となっている。月給の引き上げ率は3.01%で、3%を超えるのは34年ぶりとなる。
(SHIZUOKA Life編集部)







