2025/12/06
生活保護受給者ら3950人の情報漏えい マイナンバーや病歴も 市職員の“置き忘れ”に批判殺到
■電車にバッグ置き忘れ 静岡市の管理・運用に市民から怒り
意識や管理の甘さが厳しく追及されている。静岡市役所の職員が、生活保護受給者ら3950人分の個人情報を記載した資料を電車内に置き忘れた。一部にはマイナンバーや病名など、機微な情報も含まれていたという。市民らからは「意識や管理が甘すぎる」、「研修で再発防止できるのか」といった厳しい声が相次いでいる。
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静岡市によると、葵区役所・葵福祉事務所の職員が12月2日午前8時頃、通勤途中に降車した際、バッグを電車内の荷物フックに掛けたまま置き忘れた。紛失に気づいたのは約4時間後だった。
バッグを置き忘れた電車は職員が降りた駅止まりで、そのまま車庫に入った。バッグは車庫の職員によって落とし物として回収され、その際にバッグの中身を確認した車庫の職員2人に個人情報が漏えいした。市役所の職員は翌日、バッグを回収した。現時点で二次被害は確認されていないという。
一時紛失した資料には、生活保護受給者とその関係者(親族・民生委員ら)合わせて3950人の氏名・住所・電話番号のほか、一部の生活保護受給者のマイナンバーや既往歴などが書かれていた。個人情報を持ち出した理由について、市は以下のように説明している。
「葵生活支援課では、勤務時間外に生活保護受給者が亡くなられるなどの緊急事案に即時に対応するため、受給者とその関係者の連絡先などが記載された資料一式を休日夜間当番職員用ファイルとして、当番職員が自宅へ持ち帰っていました」

職員による情報漏えいが明らかになった静岡市
■「再発防止できる?」の声 制度面の遅れも指摘
持ち出しや返却時には本来、所属長が確認し記録を残す必要がある。しかし、今回は運用が徹底されておらず、緊急対応には不要な情報まで含まれていたという。重要な個人情報が漏えいしたことに対して、様々な声が上がっている。
市民やSNSなどでは「民間企業なら大問題。マイナンバーや病名まで入った資料を持ち歩く運用が信じられない」、「認識や管理が甘すぎる」といった厳しい指摘のほか、「紙のファイルを自宅に持ち帰る運用自体が時代遅れ」といった制度面への疑問も目立つ。
さらに、「生活保護受給者や既往歴の情報は最も慎重に扱うべき。自分の情報も流れていたらと思うと不安」といった声もあり、情報の性質の重さに不安を抱く市民も少なくない。また、「持ち帰り禁止に変えただけで再発防止になるのか」、「研修だけで解決できる問題ではない」と、説明の妥当性を疑問視する意見も出ている。
市は再発防止策として、当番職員による資料の持ち帰りをやめ、緊急時は庁舎へ出勤して対応する方式に改める方針。また、個人情報の取り扱いに関する意識とルールを徹底するための研修を行うとしている。
(SHIZUOKA Life編集部)








