2025/12/18
静岡県最大都市もおこめ券見送り “破格100%”商品券 それでも市民から不満の声
■「スピード感が不透明」 浜松市長がおこめ券見送り表明
静岡県で最も人口が多い自治体の答えも「見送り」だった。政府が物価高対策に推奨する「おこめ券」に消極的な市町が相次ぐ中、浜松市も配布しない方針を固めた。代わりに、プレミアム率100%の商品券を発行する。市民にとってはお得なはずの商品券だが、一部から不満が漏れている。
静岡県内では配布表明の自治体いまだにゼロ おこめ券が”不人気”なワケ
浜松市が17日の市議会で一般会計約62億1100万円の補正予算案を追加提出し、可決された。その中には、物価高騰対策としてプレミアム付き商品券の事業費27億9300万円を盛り込んでいる。
商品券は1口3000円で6000円分の買い物ができる。プレミアム率は30%ほどが一般的な中、100%は“破格”とも言える。全市民1人当たり3口まで購入できるという。販売は来年6月を予定している。
静岡県内では、すでに静岡市や富士市などが、政府が促すおこめ券に消極的な考えを示している。プレミアム付き商品券を選んだ理由について、浜松市の中野祐介市長は15日の会見で次のように説明した。
「おこめ券は検討の候補に挙がっていた。分かりやすいし、既存のプラットフォームを活用できるので速やかな支援につながるのではないかと期待していた。残念ながら、ここに来て期限を決めないといけない、印刷をかけないといけないなど、おこめ券を買って皆さんにお配りすることができない状況になっている。一番の魅力であったスピード感で不透明な部分が多々あるので、自前で使い勝手の良い商品券の発行にした」

おこめ券の配布を見送った浜松市
■プレミアム率100%の商品券発行へ 市民から賛否の声
浜松市の判断に対しては、賛同する声も多い。市民からは「プレミアム率100%は魅力。商品券はおこめ券よりも幅広い用途があるので家計の助けになる」、「プレミアム率の高さだけではなく、1口3000円と価格が手頃なところも良い。1口5000円、1万円になると購入をちゅうちょする面がある」といった意見がある。
一方、商品券の購入には“元手”が必要なことから、「3000円で6000円分の買い物ができるのであれば、現金で3000円を支給してほしい。商品券の事業よりも経費を抑えられるはず」、「3口買うには9000円必要になる。そのお金を出せる人にしか恩恵がない。生活レベルに関わらず、平等に支援が行き渡る方法に税金を使うべき」、「今年実施したプレミアム付き商品券は販売予定数が25万口に対して6万口しか応募がなく、2次募集をしている。今回も同じことにならないのか不安」などの指摘もあった。
今回のプレミアム付き商品券の発行総数は80万口で、デジタルと紙でそれぞれ40万口となっている。発行総額は48億円に上る。
(SHIZUOKA Life編集部)







