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2025/12/22

クリスマスケーキが高すぎる 平均4740円に値上げ イチゴ不足で人気は“真っ白”

■猛暑でイチゴ不足 ケーキの価格を押し上げる要因に

12月に入り、街はイルミネーションに彩られてクリスマスムードが高まっている。一方で、そのクリスマスにも物価高の波が押し寄せている。主役ともいえるクリスマスケーキの価格が上昇しているのだ。

 

1カット1998円のクリスマス限定ケーキ 高価格帯の商品で話題の店も

 

帝国データバンクが全国の大手コンビニエンスストアや百貨店、スーパー、洋菓子店など100社を対象に行った調査によると、2025年冬シーズンのクリスマスケーキの平均価格は4740円(税抜)で前年から3.9%アップの179円値上げとなった。

 

値上げの背景には、原材料価格の高騰や包装資材、配送費用の上昇などがある。中でも影響が大きいのは、ケーキに欠かせないイチゴだ。猛暑の影響で生育が不安定となり、全国の市場価格は平年より高い水準で推移している。

 

全国有数のイチゴ産地として知られる静岡県でも、異変が起きている。ハウスをのぞくと例年なら赤く色づき始める12月上旬になっても、実が小さく、青いままのイチゴが目立っていたという。

 

イチゴは昼夜の寒暖差が成長に重要とされる。今年は一日を通して気温が高い日が多く、生育に影響が出た。こうした産地の状況も、ケーキ価格を押し上げる要因となっている。

価格高騰で人気が高まっている真っ白なケーキ

■デコレーション最小限 イチゴなしのケーキが人気

価格高騰への対応として、各社は新たな商品を打ち出している。クリスマスに向けて、山崎製パンが販売を始めたのが、イチゴを使わない“真っ白”なクリスマスケーキ。デコレーションを最小限に抑えることで、5号サイズで税込み2160円と、従来のクリスマスケーキと比べて手に取りやすい価格に設定されている。

 

また、コンビニ大手のローソンも、シンプルなケーキを3年連続で発売している。中の層にモモを使用している以外はトッピングを施さず、家族で楽しみながら自由に飾り付けができるのが特徴。価格は5号サイズで税込み2290円となっている。

 

イチゴなどのデコレーションを省いたシンプルなクリスマスケーキは、価格を抑えられるだけでなく、家庭で工夫できる楽しさもあって売れ行きは好調で、5号サイズのケーキは昨年と比べて販売数が約1.3倍に伸びているという。

 

その他にも、イチゴの代わりにジュレペーストを使ったり、クリームを代用したりして価格を据え置く店や、原価が安価なタルト類のメニューを新たに増やす店もある。原材料価格の高騰が続く中、今年のクリスマスは「豪華さ」よりも「納得感」や「工夫」がキーワードとなりそうだ。

 

SHIZUOKA Life編集部)

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