2025/12/31
貯蓄額では分からない「お金事情」 平均貯蓄32位の静岡県 知識や計画は全国上位
■全国の平均貯蓄額374万2000円 静岡県は335万3000円で32位
貯金額だけでは分からない、都道府県別それぞれのお金の向き合い方が浮かび上がった。静岡県は平均貯蓄額では上位に入らなかったものの、将来を見据えたお金の意識に関する項目では全国上位にランクイン。金額だけでは測れない、お金事情が数字から見えてきた。
【ランキング】都道府県別の平均貯蓄額 1位と最下位は4倍差!
ソニー生命保険が発表した「47都道府県別 生活意識調査2025(生活・マネー編)」によると、現在の平均貯蓄額では、京都府、神奈川県、愛知県がトップ3に並んだ。静岡県は335万3000円で、全国平均374万2000円を下回る32位だった。一方、調査では貯蓄額だけでなく、家計管理や将来設計に関する意識についても複数の項目でランキングが作成されている。
その中で、静岡県が上位に入った項目もある。「自分はマネー関連の知識が豊富だ」と答えた人の割合は20%で、全国5位タイに入った。また、「ライフプランをつくるのが得意」と回答した人も22%で全国9位タイだった。老後資金や教育費、住宅取得など、将来を見据えたお金の計画を意識している人が一定数いることが分かる。
【自分はマネー関連の知識が豊富だ】
①京都府 24%
①群馬県 24%
③山梨県 21%
③宮崎県 21%
⑤静岡県 20%
⑤徳島県 20%
⑤福岡県 20%
⑧愛知県 18%
⑧和歌山県 18%
⑩東京都、兵庫県など8都県 17%
■「貯蓄額=幸せ」とは限らない 使い方と知識が幸福度左右
調査結果についてコメントを寄せたソニーフィナンシャルグループの渡辺浩志チーフエコノミストは、貯蓄額だけで家計の状況を判断できないと指摘する。今回の調査結果を受けて、次のように分析している。
「貯金がたくさんあれば、幸せとは限りません。貯蓄が多いことは将来不安への備えでもあり、今の生活を犠牲にして節約した結果かもしれません。今回の調査から見えてきたのは、お金の量よりも、使い方と知識が幸福度を左右するということ。貯めるだけでなく、増やし、そして絆を深めるために使う――そのバランスこそが、豊かな人生の鍵なのかもしれません」
実際、調査では1か月の貯蓄額や投資額、小遣い額を偏差値化した「金融幸福度」も算出されており、平均貯蓄額で最下位だった山形県が12位に入るなど、単純な金額ランキングとは異なる結果も示されている。
平均貯蓄額では上位に入らなくても、将来を見据えた計画を立て、必要な場面ではお金を使う。調査データからは、静岡県にそうした家計意識が一定程度存在していることが読み取れる。
数字が示しているのは、貯蓄額の多さそのものではなく、地域ごとに異なるお金との向き合い方だ。静岡県の結果は、派手さはないものの、計画性を重視する家計意識の一端を映し出している。
今回の調査は10月22日から30日にインターネットを通じて実施された。全国の20歳から59歳の男女を対象に、各都道府県100人ずつ計4700人から有効回答を得ている。
(SHIZUOKA Life編集部)








