生活に新しい一色
一歩踏み出す生き方
静岡のニュース・情報サイト

検索

情報募集

menu

2026/02/16

5%賃上げでも辞める? 9割以上が転職活動継続 給与では止まらない離職の現実

■5%の賃上げで「転職活動やめる」 全体の4.1%

賃上げが進んでも、多くの働き手は転職を思いとどまらないようだ。全国のビジネスパーソンを対象にした調査で、現在の職場で5%以上の賃上げがあっても、9割以上が転職活動を続ける意向を示した。給与の増加だけでは人材流出を防ぎきれない実態が浮き彫りとなった。

 

「営業ならできそう」に”落とし穴”だった 就職・転職に失敗する人の共通点

 

今年の春闘では、昨年に続いて5%以上の賃上げが目標に掲げられている。賃上げは人材流出を防ぐ手段となるのか。人材紹介サービスを手がけるワークポートは、20〜40代の男女442人を対象に「賃上げと転職意向」に関するアンケートを実施した。

 

現在の職場で5%以上の賃上げがあった場合の転職意向を尋ねた結果、「賃上げに関係なく転職活動を継続する」と回答した人は70.8%だった。「ペースを落として継続する」とした25.1%を合わせると、9割以上が賃上げ後も転職活動を続ける意向を示した。一方、「転職活動を完全にやめる」と回答した人は4.1%にとどまった。

 

賃上げが進んでも生活の改善を実感できていない人も多い。今回の賃上げが物価上昇をカバーできているかを聞いたところ、「まったくカバーできていない(実質マイナスだと感じる)」と回答した人は67.9%に達した。賃上げがあっても物価上昇の影響が大きく、実質的な生活の向上につながっていないと感じる人が多数を占めている。

 

基本給の見通しについても、「据え置き(上がらないと思う)」と回答した人が52.0%と半数を超えた。「多少は上がると思う」は27.8%、「かなり上がると思う」は3.6%にとどまり、多くの人が賃上げの恩恵を受けられないと見込んでいる。

写真はイメージ

■転職意向の理由トップは「スキル停滞」 2位は「人間関係」

転職を考える理由として最も多かったのは「キャリア成長不足・スキルの停滞」で36.8%だった。現在の収入よりも、将来のキャリアや市場価値に対する不安が離職の大きな要因となっている。次いで「人間関係・社風のミスマッチ」が30.4%、「労働時間・休日数への不満」が26.7%と続き、職場環境や働き方への不満も転職の背景にあることが分かった。

 

転職先に求める条件(複数回答可)も、収入より成長機会を重視する傾向がみられた。「スキルアップや市場価値の向上」を優先すると回答した人は56.8%に上り、「社風や社員の雰囲気」が44.6%、「柔軟な働き方」が37.3%だった。一方、「年収を最優先」とした人は12.7%にとどまった。現在の職場の問題点には、以下のようなコメントが寄せられている。

 

・「業務分担や担当範囲が固定されており、自分から新しい分野に挑戦することが難しい」(20代男性、機械系エンジニア)

 

・「スキルアップできないと将来的に給与には反映されないし、転職の際に何も実績がないと、給与が高いだけの使えない人材と評価されかねない」(30代女性、システムエンジニア)

 

・「意思決定を行う経営層の働き方改革への理解不足、意思決定までの非効率性」(40代男性、公務員)

 

・「慢性的な人員不足が続いており、疲弊した状態で働いているスタッフが多い」(20代女性、接客販売)

 

企業では賃上げの動きが広がっているものの、働き手の関心は給与の水準だけでなく、自身の成長や将来の可能性へと向かっている。賃上げだけでは離職を防ぎきれない現状が、調査結果から明らかになった。

 

SHIZUOKA Life編集部)

関連記事