2026/04/03
2035年に出荷量24%減少も 静岡の自動車部品メーカーに広がる危機 関税と電動化が影響
■2030年度も2035年度も 企業の45%が売上減少の見通し
静岡県の基幹産業に、先行き不安が広がっている。県内の自動車部品メーカーの間で「将来の売上減少」を見込む企業が増えており、2035年に出荷量が最大で約24%減少する可能性も調査で示された。電動化の進展や国際情勢の変化が影響し、このままでは事業の継続が難しくなる恐れもある。
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静岡経済研究所の調査によると、2025年度の業績見込みで、売上高や受注量を「増加」とする企業が6割を超えたのに対し、営業利益の増加を見込む企業は6割を下回った。コスト上昇分を十分には価格に転嫁できていない実態が浮き彫りとなっている。
売上への影響では、アメリカの関税政策が「マイナス」と答えた企業が49.5%、電動化も41.8%に上った。完成車メーカーの生産体制の変化も、約3割の企業でマイナス影響が出ている。先行きへの見方は、さらに厳しい。2030年度、2035年度ともに売上が「減少する」との回答が45.2%と、「増加」の28.0%を大きく上回った。減少幅も年々拡大するとの見通しが多い。
その背景には、電動化の進展がある。エンジン関連部品の需要減少が見込まれる中、約6割の企業が「マイナスの影響」を予想している。実際、統計的な予測では、県内の自動車部品の出荷量は2035年に最大で約24%減少する可能性があるとされた。事業継続の分岐点については、「売上が2~3割減少すると難しい」との回答が最も多く、環境変化への危機感の強さがうかがえる。
一方で、企業の対応は十分とは言えない。コスト上昇への対応として価格転嫁や取引条件の見直しは進んでいるものの、電動化への対応は約26%にとどまり、ソフトウェア定義車両(SDV)への対応はほとんど進んでいない。
自動車部品産業は、静岡県の基幹産業の1つとなっている。静岡経済研究所は「自動車部品産業の低迷は静岡県経済の衰退に直結しかねない。時間的猶予が限られる中で現場と経営の両面で変革が求められるため、部品メーカーだけではなく、金融機関・支援機関・行政も一体となって、迅速に取り組んでいくことを期待したい」とまとめている。
今回の調査は今年2月1日から10日まで、郵送とウェブによって実施された。県内の自動車関連部品メーカー782社を対象とし、111社から回答を得た(有効回答率14.2%)。
(SHIZUOKA Life編集部)








