2026/04/12
値上げラッシュの“前兆”か 原油高騰で企業の96%が打撃 家計への影響は不可避
■原油高騰で企業に打撃 「影響なし」はわずか2.3%
中東情勢の緊迫化に伴う原油価格の高騰と供給不安が、企業活動だけでなく生活にも影響を及ぼし始めている。民間の調査会社・帝国データバンクが企業を対象に実施した調査によると、原油高騰などの影響について、96.6%の企業が「マイナス影響がある」と回答した。
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影響がないとした企業は2.3%にとどまり、ほぼ全ての企業が何らかの影響を受けている実態が浮かび上がった。具体的な影響の内訳を見ると、最も多かったのは「自社で使用する車両の燃料費の上昇」で73.4%に達した。
これに「原油由来の原材料価格の上昇」(66.7%)、「物流費・輸送費の上昇」(62.0%)、「取引先からの値上げ要請の増加」(60.5%)が続き、エネルギーコストの上昇が企業経営全体に波及している。さらに、「電力コストの上昇」も51.1%と半数を超え、燃料だけでなく電気料金など広い分野でコスト増が進んでいる。
こうしたコストの上昇は企業努力だけで吸収するのが難しく、商品やサービスの価格に転嫁される可能性がある。物流費の上昇は食品や日用品などの価格に直結しやすく、家計への影響が広がることも考えられる。
一方で、影響は価格上昇にとどまらない。調査では「原油由来の原材料の調達難」が46.3%にのぼり、「サプライチェーンの不安定化」も32.5%が指摘した。

生活に直結するガソリン価格の高騰
■事業大幅縮小のリスク43.8% 製造業が特に深刻
原材料が確保できなければ、生産の停滞や供給不足につながる恐れもある。実際に企業からは、「燃料費だけでなく機械油や原材料も値上がりし、仕入価格が20~30%上昇した」、「原材料の入荷がなければ生産が止まる」といった声が上がっている。
また、業界ごとに影響の現れ方にも違いがみられる。運輸・倉庫では燃料の調達難、製造業では原材料の確保、小売業では消費者の需要減退など、それぞれ異なる形で影響が広がっている。
こうした状況が長引いた場合の影響も大きい。調査では現在の原油価格の水準が続けば、半年以内に43.8%の企業が主力事業の大幅な縮小に追い込まれるとされている。特に製造業では、22.8%の企業が「3カ月未満でも経営に重大な影響が及ぶ」と回答しており、短期間でも深刻な影響が懸念される。
事業の縮小は生産量の減少やサービスの縮小につながり、結果として商品不足や価格上昇など、消費者の生活にも影響が及ぶことが懸念される。企業側では値上げや在庫の積み増し、調達先の見直しなどを進めているが、調査では「日本単独で講じられる対策には限界がある」といった声も聞かれた。
今回の調査からは、原油価格の動向が企業活動にとどまらず、物価やサービスの安定性といった日常生活にも直結する問題となっている現状が浮き彫りとなった。今後の中東情勢とエネルギー価格の動きが、家計に与える影響も注目されている。
(SHIZUOKA Life編集部)







