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2025/10/13

新たに3人判明 静岡県で急増するマダニ感染 全国的にリスク高める3つの理由

■静岡県の感染者23人 過去最多の昨年14人を大幅更新

静岡県内で、マダニが媒介する感染症「日本紅斑熱(にほんこうはんねつ)」の患者が新たに3人確認された。これで今年の県内感染者は23人となり、過去最多を更新した。全国的にも感染のリスクが高まっている。

 

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日本紅斑熱は、マダニが保有する「日本紅斑熱リケッチア」という病原体に感染することで発症する。人から人には感染しないが、高熱や発疹を伴って重症化すると死亡する例もある。潜伏期間は2~8日とされ、発熱やだるさ、食欲不振、発疹などの症状が出た場合は早めに医療機関を受診することが重要だ。抗生物質が有効とされており、早期治療で回復が見込める。

 

静岡県内で今回新たに確認されたのは、熱海保健所管内の70代女性、中部保健所管内の80代男性、そして氏名・年齢など非公表の1人と計3人。発症前に草取り作業など屋外で活動しており、マダニに咬まれたことが原因とみられる。70代女性は退院して快方に向かっており、80代男性も入院中だが症状は回復傾向という。

 

県内では2020年以降、毎年感染者が確認されている。今年の感染者は死者1人を含む23人に上り、これまで最多だった昨年の14人を大きく上回っている。全国の感染者も今年は506人で、昨年の523人に迫る勢いで増えている。

 

マダニは春から秋にかけて活動が活発になり、山や草むら、畑などに潜んでいる。県は「耳を覆う帽子や長袖、長ズボン、靴下を着用し、肌の露出を避ける」「裾をズボンや靴下の中に入れる」などの予防策を推奨している。マダニ用の忌避剤を使っても、完全には防げないため、複数の対策を組み合わせることが望ましい。

ペットからの感染リスクもあるマダニ

■野外活動後は全身を確認 ペットにも注意

感染者の拡大には、主に3つの原因が挙げられている。1つ目はアウトドアや畑仕事など、屋外での活動が増えたことにある。マダニは山や公園、草むらや畑など自然が豊かな場所に潜んでいる。

 

2つ目はクマやシカなどの野生動物だ。里山がなくなり人間の生活エリアに野生動物が現れ、マダニを運んできているという。3つ目はペット。犬や猫にマダニが付着して家庭内に持ち込まれるケースがあるため、駆除剤の使用や体調観察が大切だ。県は、体調不良のペットに顔や傷口などをなめられた際は動物病院を受診するよう求めている。

 

マダニによる感染症は誰にでも起こり得る。県は「秋の行楽シーズンを安全に楽しむためにも、野外活動後は必ず全身を確認して体調変化に注意してほしい」と呼びかけている。

 

SHIZUOKA Life編集部)

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