2025/10/18
民間ではあり得ない“驚きの制度” 旅費精算で領収書不要 県職員が不正受給で懲戒処分
■新幹線の利用料金と宿泊費を不正受給 実際は在来線で実家に宿泊
静岡県は職員2人の懲戒処分を発表した。1人は県外出張の旅費を不正受給した。驚くことに、旅費の精算を申請する際、新幹線の利用料金や宿泊費の領収書を提出する必要がないという。民間企業では考えられない仕組みに、県民からは怒りや呆れる声が相次いでいる。
逮捕→略式命令に度重なるパワハラ 静岡県職員の懲戒処分に「軽すぎる」の声
静岡県は10月17日、20代の男性職員を戒告とした。この職員は昨年度、県外へ出張した際に実際は実家から在来線を使っていたにもかかわらず、自宅から新幹線を利用して出張先で宿泊したと偽って申請したという。旅費の差額3万4302円を不正に受給した。
県によると、今年3月以降、匿名で複数回の通報があり、事態が発覚した。男性職員は「今後は公金を適正に取り扱う行政の根幹に立ち返ります」と反省し、不正受給した旅費は全額返済した。

職員2人の懲戒処分を発表した静岡県
■「他にもあるのでは」、「軽く見ている」 県民は驚きと怒り
不正受給は個人のモラルによる問題と言える。ただ、領収書の提出を求めていない県庁の仕組みに県民は驚きを隠せない。領収書の提出が当たり前の民間企業を引き合いに出し、次のような意見が出ている。
「こんな組織が今もあるなんて信じられない。今回はたまたま見つかっただけで、他にも不正受給があるのではないか」
「職員が何もしなくても税金は入ってくる。必死に売上を立てて、そこから旅費などの経費をまかなって利益を出さなければいけない民間企業と違って、県庁は経費を軽く見ているんだろう」
「県民には過剰なほど書類の提出を求めたり、厳しく税金を請求したりするのに、不正受給した職員には戒告のみ。身内への甘さは相変わらずだし、不正の温床となり得る仕組みを放置するのも疑問」
県は、他にも63歳の男性技監を停職6カ月の懲戒処分とした。この男性技監は今年1月、職場から帰宅途中に横断歩道近くを歩いていた80代の女性をはね、重傷を負わせて死亡させた。10月14日に自動車運転処罰法違反の罪で禁錮1年2カ月、執行猶予3年の判決を受けた。控訴せずに禁錮刑以上の刑罰が確定すると、地方公務員法の規定で自動的に失職となる。
(SHIZUOKA Life編集部)








