2025/10/28
また静岡市でスイミングスクール閉館 約50年の歴史に幕 水泳授業の民間委託にも影響
■中田スイミングスクール 10月31日で閉館
静岡市で、また1つ、歴史あるスイミングスクールが姿を消す。静岡市の「中田スイミングスクール」が10月31日、歴史に幕を下ろす。市内では9月に「とこはスイミングスクール」が閉館したばかりで、時代の変化が顕著に表れている。
静岡市で相次ぐスイミングスクール閉鎖…9月には五輪選手輩出した名門も
静岡市駿河区にある「中田スイミングスクール」は小学生を中心に、全盛期は2500人の会員が在籍した。プールだけではなく、駐車場を開放して祭りを開催するなど、地域密着を大切にしてきた。
しかし、会員数の減少や施設の老朽化に伴い、10月いっぱいでの閉館を決めた。閉館後は、すぐに建物の取り壊しが予定されているという。公式ホームページでは、次のように発表している。
「これまで約50年間にわたり続けてこられましたのは、多くのお客様、地域の皆様に支えていただいたおかげです。開業以来、これまでいただいたご愛顧と温かいご支援に、感謝の気持ちでいっぱいです。心より感謝申し上げます」
静岡市内では、葵区にある「とこはスイミングスクール」も9月末に閉館した。43年間続いた名門で、世代トップレベルの選手も輩出していた。雨漏りなどの建物の老朽化が進み、安全に運営することが難しくなったことを理由としている。

10月31日で閉館が決まった中田スイミングスクール
■水泳の授業は民間に委託する流れ 静岡市でも検討
プールの改修には高額な費用がかかる上、採算の見通しも立てにくい。近年は少子化や習い事の多様化で、スイミングスクールが会員数を増やすのは難しい状況がある。人件費や光熱費の高騰も逆風となり、歴史ある施設も閉館に追い込まれた形だ。
静岡市では教員の負担軽減やプールの老朽化に伴い、小・中学校の水泳の授業を民間に委託する取り組みが検討されている。全国的にも授業でスイミングスクールのプールを活用する動きは進んでいるが、民間施設も建物の老朽化に直面し、経営の厳しさが浮き彫りとなっている。
地域の子どもたちが泳ぎを学び、思い出をつくったスイミングスクール。その灯が、静かに消えようとしている。
(SHIZUOKA Life編集部)








