生活に新しい一色
一歩踏み出す生き方
静岡のニュース・情報サイト

検索

情報募集

menu

2025/12/02

消防士4人に懲戒処分 批判と同情が交錯 県民から「むしろ感謝すべき」の声も

■許可なしのアルバイトで処分 海水浴場でライフセーバー

静岡県熱海市の消防士に対する懲戒処分をめぐり、世論が分かれている。許可を得ずにライフセーバーのアルバイトをしたという。県民からは「ルールが明確に定められている以上、処分は仕方ない」という意見がある一方、「行動自体は悪いことではないし、副業せざるを得ない待遇面の改善を進めるべき」といった同情の声も上がっている。

 

法定速度54キロオーバーで”最も軽い”懲戒処分 静岡県職員の呆れる言い訳とは?

 

熱海市は11月28日付で、市消防本部の職員4人を懲戒処分とした。いずれも、任命権者の許可を得ずに海水浴場でライフセーバーのアルバイトをしていたことから、地方公務員法違反と判断した。

 

市によると、22歳の消防士は2023年夏から3年間で、約22万円の報酬を得た。同僚3人をアルバイトに勧誘したという。停職1カ月の懲戒処分を受けた。

 

22歳の別の消防士は2年間で約10万円の報酬を手にした。報酬の金額は前出の消防士よりも少なかったが、病気療養を理由に取得した有給休暇中にアルバイトしていた。停職6カ月の懲戒処分となっている。残り2人の処分は、減給10分の1(6カ月)と戒告となっている。

 

今回の問題は匿名の通報がきっかけだった。市が4人に聞き取りをしたところ、当初はアルバイトの事実や報酬の受け取りを否定したという。しかし、その後にアルバイトしていたことが明らかになった。

写真はイメージ

■「行為自体は悪くない。むしろ感謝」 県民からは同情の声も

熱海市は「海の安全管理は消防の業務から外れている。事前にアルバイトの申請があったとしても、認められない」と説明している。ただ、県民からは同情の声も少なくない。「許可を得ずに副業をした時点でルールに反するので処分を受けるのは仕方ない」、「本業の消防士に支障が出るリスクがある」という意見がある一方、次のようなコメントも多い。

 

「海水浴場でライフセーバーをする行為自体は悪いことではない。むしろ、感謝すべきこと。副業をせざるを得ない待遇面の改善を進めるべき」

 

「今回の件以上にモラルに反した言動に対して、処分が軽いケースは多い。消防士にライフセーバーをしてもらうのは心強いし、手にした報酬の金額も決して多くないので、処分は重いと感じる」

 

「社会的に意義のあるアルバイトであれば、副業を認めるべきではないか。時代に合っていない。消防士を目指す人材が減ってしまい、結果的に社会全体が困ってしまう」

 

地方公務員法に違反すれば、どんな事情があっても懲戒処分は避けられない。ただ、現状の法律や仕組みが時代に合っているかどうかの判断は、また別の議論が必要となる。

 

SHIZUOKA Life編集部)

関連記事