生活に新しい一色
一歩踏み出す生き方
静岡のニュース・情報サイト

検索

情報募集

menu

2025/12/11

“不人気”のおこめ券 配布表明の自治体ゼロ 代わりにプレミアム率100%の商品券も検討

■おこめ券に自治体が反発 高コストと利益誘導の指摘

最初に配布を表明するのは、どの自治体なのか。それとも、最後まで現れないのか。政府が物価高騰対策で推奨する「おこめ券」に対し、自治体は否定的な姿勢を示している。静岡県内35市町で、おこめ券の配布を決めた自治体は、現在のところ1つもない。

 

浜松市が打ち出したプレミアム商品券 静岡市との格差に市民から不満の声

 

おこめ券は米などを購入できる商品券で、全国米穀販売事業共済協同組合(全米販)や全国農業協同組合連合会(JA全農)が発行している。政府は家計への負担を軽減する対策として自治体に活用を促しているが、反応は芳しくない。配布に消極的な自治体が相次いでいる。

 

自治体が反発する主な理由は「高コスト」と「利益誘導」だ。おこめ券は500円のうち、印刷代や流通経費として60円が発行元の利益とされる。実に、その比率は12%に上る。鈴木憲和農水大臣は「利益誘導することは全くない」と否定している。

 

静岡県内でも、各自治体のトップが次々とおこめ券を配布しない方針を示している。富士市の小長井義正市長は「物価高騰対策をするのであれば、米の価格を下げるための対策を国は本来すべきであって、おこめ券を配布することではない」と話した。

配布を見送る自治体が相次ぐ「おこめ券」

■富士宮市は商品券を検討 「100%くらいのプレミアム率に」

静岡市の難波市長も「自分が市民側に立ってみれば、おこめ券よりも、もっと選択肢が広い方が良い」とプレミアム付きデジタル商品券を優先する考えを明かしている。さらに、富士宮市の須藤秀忠市長は9日の定例会見で次のように述べた。

 

「お米だけに絞られると、他のほしいものを得られなくなる。おこめ券の予算は米業界だけを潤す」

 

富士宮市はおこめ券を配布せず、プレミアム付き商品券を発行する方針を示している。しかも、そのプレミアム率は驚異の100%。5000円の商品券ならば、1万円分の買い物ができる計算だ。須藤市長は「今までは50%でしたが、100%くらいのプレミアム率にしないと市民の方々も喜ばないのではないかというところで、検討している最中」と語った。

 

静岡県内の自治体は次々と、おこめ券の配布見送りを決めている。静岡市、富士市、富士宮市に加えて、御殿場市や小山町、伊豆市や南伊豆町などが配布しない方針。いまだに、配布を表明した自治体は1つもない状況となっている。

 

SHIZUOKA Life編集部)

関連記事