2026/01/21
ANAが静岡空港から「撤退」 県民は冷静? 「残念」よりも「妥当」の声が多いワケ
■ANAの札幌・沖縄路線 9月末で運行休止
静岡県民にとっては移動の選択肢が減る形となった。全日本空輸(ANA)が、富士山静岡空港から事実上撤退すると表明。赤字が続いており、今後も黒字化が見込めないと判断した。県民からは惜しむ声が上がる一方、冷静に受け止める人も多い。
富士山静岡空港の駐車場は4月から完全有料化 県民からは「唯一のメリットが…」の声も
ANAは静岡空港が開港した2009年から唯一、国内線を運航してきた。新型コロナウイルスの影響を受けた時期を除いて、札幌と沖縄、2つの路線を毎日1便運航してきたが、今までに黒字化した年はなかったという。今後も燃料費や整備費の高騰によって赤字脱却が難しいと判断し、9月末で休止する。現時点で再開の予定はないため、事実上の撤退となる。
ANAによると、札幌と沖縄の両路線はピーク時の2019年に計15万人以上が利用していた。しかし、直近は約11万人に減少。搭乗率も50~60%台にとどまっていた。10月1日から静岡空港発着の便が減少することを受け、鈴木康友知事は以下のコメントを発表した。
「ANA静岡路線については、開港から約17年間、利用促進に取り組んだ結果、北海道からのゴルフ客や沖縄への修学旅行など、非常に多くの方に御利用いただいております。今年度に入ってからも、単月の過去最高利用者数を記録するなど好調であり、富士山静岡空港の航空ネットワークにおいて、たいへん重要な位置を占めております」
「しかしながら、昨今、全国的に、国内航空を取り巻く環境は大きく変動しており、物価高や円安による費用の増大、高単価なビジネス旅客の減少などを背景に、構造的に利益確保が困難な状況であると認識しております。こうした中、他の地方空港と北海道や沖縄を結ぶ路線においては、既に、昨年末以降、縮小している路線もあり、全国的に、たいへん厳しい状況にあると伺っております。今回のANAの判断は、こうした経営上の理由とのことではありますが、静岡路線が運休となったことは、極めて残念であります」

静岡空港の運航を休止するANA
■ANA撤退に県民は冷静 「妥当な判断」、「感謝すべき」
県民は比較的、冷静に受け止めている。「北海道も沖縄も家族旅行で使っていた。直行便がなくなるのは残念」、「乗り継ぎが増えると、移動時間もお金もかかる」といった声がある一方、「妥当な判断」と理解を示す意見も多い。
「2009年からずっと赤字の路線から撤退するのは経営判断としては当然。燃料費は高騰しているし、空港の駐車場は有料・値上げされるので、今後も劇的に改善する要素は考えにくい」
「搭乗率を聞くと、運休は仕方ない。長期休みは旅行の利用者が増えるかもしれないが、ビジネス利用を安定して確保できなければ黒字化は難しそう。今までに色々と策を講じたはずで、それでも赤字が続いているのであれば妥当な判断」
「搭乗率を考えれば、遅かれ早かれANAが撤退するのは予想できた。むしろ、赤字が続く中で17年間も運航してくれたことを感謝すべき。静岡空港は交通アクセスが良くないし、セントレアや羽田を利用する人も多い。静岡空港は今まで駐車場が無料なので使っていたが、有料になるので使うことはなくなりそう」
静岡空港は今年4月から駐車場を全面的に有料化する。現在有料のスペースは1時間100円の基本料金を200円に値上げし、1日の最大料金も500円から1000円となる。ANAの撤退は、静岡空港が長年直面している利便性と採算性の両立という課題を改めて浮き彫りにしている。
(SHIZUOKA Life編集部)







