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2026/02/21

「野球と福祉は相性が良い」 甲子園春夏連覇の主将が新たな挑戦 障害者の就労支援へ

「Ring Match」が開所した就労継続支援B型事業所「えんどらん」

■名古屋に本社「Ring Match」 石川県に就労継続支援B型事業所を開設

野球で培った経験を福祉にも生かす。名古屋市に本社を置く「Ring Match」が新事業として、就労継続支援B型事業所を開設した。一見、結びつきが薄い野球と福祉だが、野球関連事業を展開する「Ring Match」だからこその強みを発揮できるという。

 

地元・石川に新たな野球塾開校 入会率の高さに「2つの理由」

 

「Ring Match」は野球経験者に特化した人材紹介、野球塾の運営、バットの開発と野球に深く関わる事業を手掛けてきた。新たな挑戦を決めたのは、福祉の分野だった。

 

2月からスタートした就労継続支援B型事業所「えんどらん」は、「Ring Match」の代表を務める水本弦さんの地元・石川県にある。一般企業で働くことが難しい障害や難病のある人たちが、就労に必要な知識や能力を身に付ける訓練を受けながら、実際の作業を通じて働く機会を得ることができる。

 

事業所の特徴は、野球と関わりのある作業を取り入れている点にある。「えんどらん」は、「Ring Match」が小松市内で運営する野球塾から約3キロの距離に位置する。野球塾の練習で使うボールの手入れや施設の清掃など、野球塾と連携した仕事を担うことで、利用者が自分の役割を実感しやすい環境を整えた。水本さんが語る。

 

「事業所を利用する皆さんには、自分たちの仕事が野球塾に通う選手たちの成長を支えていると実感し、働くモチベーションを高めてもらえたらと思っています。選手たちも、サポートしてくれる人たちがいるから恵まれた環境で練習できることを知る機会になると考えています」

野球塾で子どもたちを指導する水本さん

■大阪で“成功例”を知って興味 野球と福祉の相性の良さ実感

水本さんは中学生まで石川県で暮らした。高校は大阪桐蔭に進学し、野球部の主将として甲子園で春夏連覇を達成。その後は、亜細亜大学と東邦ガスで野球を続けた。

 

これまで縁のなかった福祉に関心を持ったのは、大阪市内の就労支援事業所を知ったことがきっかけだった。その事業所は野球チームを持っており、施設利用者が試合の応援をしているという。また、野球が職員と利用者の共通の話題となっている。水本さんは「野球と福祉の相性の良さを感じました。福祉は未経験の分野でしたが、弊社の野球関連事業と組み合わせて、利用者さんへの仕事も生み出せると考えました」と話す。

 

事業所の名前「えんどらん」は、野球の戦術に由来する。打者が走者の進塁を助けるように、スタッフが利用者を支えながら前進を後押しする意味が込められている。

 

全国的に就労継続支援B型事業所のニーズは高まっている。野球をはじめとするスポーツと福祉を組み合わせるモデルは、新たな可能性を期待させる。

 

(間 淳/Jun Aida

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