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2026/02/23

企業の67%が初任給引き上げ 平均9462円増額 見送る企業の理由は?

■初任給引き上げ額 「1万円~2万円」が47%で最多

企業の初任給はどこまで上がるのか。2026年春の採用を控え、企業の賃金動向が明らかになった。民間の調査に対して、3分の2以上の企業が新入社員の初任給を前年度から引き上げると回答している。

 

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帝国データバンクの調査によると、2026年4月入社の新卒社員に支給する初任給を前年度から引き上げると回答した企業は67.5%に上った。前回調査からは3.5ポイント低下したものの、依然として7割近くに達している。静岡県内でも大手を中心に、近年は積極的に初任給を引き上げる企業が目立つ。

 

引き上げ額は、「1万円~2万円未満」が47.4%で最も多く、「5000円~1万円未満」が31.6%で続いた。平均引き上げ額は9462円と、前年度の9114円を上回った。一方、「引き上げない」と答えた企業は32.5%と、企業間で対応が分かれる構図も浮かび上がる。

 

2026年度の初任給水準は、「20万~25万円未満」が61.7%で最多だった。「25万~30万円未満」は17.8%と2割近くに上昇し、「15万~20万円未満」の17.4%よりも多かった。「20万円未満」の割合は17.8%で、前年度の24.8%から低下しており、全体として初任給の上昇傾向が表れている。

 

初任給を引き上げる理由には「人材確保や定着率向上」、「最低賃金の上昇への対応」、「賃金テーブル全体のベースアップ」などが挙げられている。物価高や原材料費の高騰で経営環境が厳しい中でも、採用競争への対応を迫られている企業の姿がみえる。

写真はイメージ

■初任給引き上げ見送る企業 「逆転現象」への懸念

それに対し、引き上げを見送る企業からは次のような声が上がっている。既存社員との賃金バランスの問題や全体の賃上げ余力の乏しさ、さらに既存社員より新入社員の給与が高くなる「逆転現象」への懸念も指摘されている。

 

・2025年度に初任給の見直しを実施しており、さらに引き上げる場合には社員全体の給与を見直す必要があるため負担が大きい(中小企業/建設)

 

・既存社員とのバランスを考えると初任給の引き上げは難しい。大手企業に対抗するのはあきらめている(中小企業/電気機械製造)

 

・入社時点で何もできず、数年間は教育に手を取られる新人の給与を上げるより、仕事を任せられるようになった若手社員の給与を大幅に引き上げるように努めている(大企業/看板・標識製造)

 

規模別の引き上げ割合を見ると、大企業は65.6%、中小企業は68.2%だったのに対し、小規模企業は50.0%にとどまった。初任給引き上げに対しては、「企業の体力勝負になっているため、大企業と中小企業の格差は広がる一方」、「中途採用をメインにしているが、新卒初任給アップは中途市場にも影響を及ぼしている」という指摘もある。

 

今回の調査は2月5日から9日にかけてインターネットを通じて実施され、1541社が回答した。企業の7割近くが初任給を引き上げるとしたものの、割合は前年度をわずかに下回った。採用面で一定の効果が期待される一方、社内の賃金バランスや人件費総額の増加への対応といった課題も残る。

 

SHIZUOKA Life編集部)

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