2026/04/13
人手不足で倒産が過去最多 退職止まらず1.3倍増 現場の悲鳴「人がいない…」
■人手不足の倒産件数3年連続で過去最多 2025年度は441件
人手不足が深刻化する中、倒産が急増している。2025年度に人手が不足して倒産した企業数は、前年度から約1.3倍に増加。3年連続で過去最多となり、企業経営に与える影響が一段と強まっている実態が浮き彫りとなった。
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帝国データバンクの調査によると、従業員の退職、採用難、人件費高騰を原因とする人手不足で倒産した2025年度の企業数は441件だった。前年度の350件から大幅に増え、年度ベースで初めて400件を超えた。
特に深刻なのが、「従業員退職型」と呼ばれるケースだ。従業員や経営幹部の退職をきっかけに事業の継続が困難となるもので、2025年度は118件と過去最多を更新した。これで、4年連続で前年を上回った。
企業側では採用難が続いており、人材を確保できない状況が長期化している。さらに、既存の従業員が退職すると、その穴を埋められず、事業そのものが立ち行かなくなるケースも増えている。

写真はイメージ
■業種別は建設業が最多 次いで道路貨物運送業
業種別にみると、建設業が112件と最も多く、全体の約4分の1を占めた。その他、道路貨物運送業(55件)、老人福祉事業(22件)、飲食店(21件)など、労働力に依存する業種で増加が目立つ。
建設業では、資格や技能を持つ人材の確保が難しく、現場作業員や営業担当者の退職によって受注ができなくなるケースが相次いでいる。運送業でもドライバー不足や高齢化が深刻で、事業継続が困難になる企業が出ている。
背景には人件費の上昇もある。人材確保のために賃上げした結果、収益改善が追いつかずに経営を圧迫する要因となっている。企業からは、「応募があっても、より賃金の高い企業に人材が流れてしまう」、「求めるスキルを持つ人材の応募が少ない」といった声が上がる。特に中小企業では、大企業との賃金格差が人材確保を一層難しくしている。
人手不足は、企業の問題にとどまらない。サービスの縮小や提供停止といった形で、人々の生活にも影響が及ぶ。物流の停滞や建設工事の遅れ、飲食店の営業時間短縮といった身近な場面でも変化が現れている。
今後も物価高や人材不足が続けば、事業継続を断念する企業はさらに増える可能性がある。人手不足は単なる「採用難」ではなく、企業の存続を左右する問題となっている。
(SHIZUOKA Life編集部)








