2026/04/20
退職代行で辞めたら不利? 企業の75%が採用で「消極的」 調査で見えた実情と本音
■退職代行サービスからの連絡 約3割の企業が「取り合わない」
もう無理かもしれない――。新年度が始まって間もないタイミングで、そんな思いを抱える人は少なくない。いわゆる五月病で退職を考える人が増える時期に、注目されているのが「退職代行サービス」。ただ、その利用をめぐっては、企業側の受け止め方に変化が表れている。
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東京商工リサーチの調査によると、弁護士や労働組合ではない「退職代行業者」からの連絡に対して、企業の30.4%が「取り合わない」と回答した。背景にあるのは、弁護士資格を持たない業者による交渉が弁護士法に抵触する可能性があるとされる「非弁行為」への懸念だ。実際に企業の約3割が、退職代行業者から残業代請求や退職条件の交渉を含む通知を受けた経験があると回答している。
一方で、退職代行の利用自体は広がりを見せている。2024年1月以降に「退職代行を利用した従業員の退職があった」とする企業は今年4月時点で8.7%に上り、9カ月前の前回調査から1.5ポイント増加。特に大企業では21.3%と割合が高く、一定の浸透がうかがえる。
さらに、業種別に見ると傾向の違いも明確になっている。宿泊業・飲食サービス業、医療・福祉、サービス業などで割合が高いのに対し、建設業や製造業では低い水準にとどまった。人手不足や労働環境の厳しさ、対人ストレスの多さなどが影響している可能性があるとみられる。

写真はイメージ
■退職代行の利用者の採用 75%の企業がネガティブ
退職代行が選ばれる背景には「直接伝えづらい」、「精神的な負担が大きい」といった事情があるとされる。ただし、その利用が今後のキャリアに影響する可能性も浮き彫りになった。
調査では、採用時に退職代行の利用歴が分かった場合に「採用に慎重になる」は49.3%、「採用しない」が26.0% と約75%の企業がネガティブな評価を示した。企業側からは、「本人と直接やり取りができないことへの不安」や、「トラブル回避の姿勢に疑問が残る」といった声も上がっている。
新年度の疲れが出始めるこの時期は、退職の選択肢が現実味を帯びる人も増えていく。退職代行という手段は、心理的なハードルを下げる一方で、企業側の評価や業種による受け止め方の違いなど、見過ごせない側面もある。利用の広がりとともに、その影響や是非をめぐる議論は、今後さらに活発になりそうだ。
(SHIZUOKA Life編集部)








