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2022/11/28

飲食業やサービス業が急回復も物価高が下押し 静岡県の景況感は改善せず…

紅葉と富士山の組み合わせは観光客に人気

■前回調査から7.2ポイント上昇 景気横ばい「50」には届かず

民間のシンクタンク・静岡経済研究所が10月に調査した県内の景況感を公表した。飲食業やサービス業の急回復により、前回の調査からは7.2ポイント上昇したが、景気の横ばいを示す指数「50」には届かなかった。原材料費の高騰や円安の影響が悪化材料となっている。

 

静岡経済研究所によると、10月下旬に調査した景気の方向性を示す「現状判断指数」は49.8で、3か月前から7.2ポイント上昇した。ただ、景気の横ばいを示す「50」には届かず、景況感の改善には至らなかった。

 

好材料には、飲食業やサービス業の急回復がある。飲食業の現状判断指数は67.5と、前回調査から34.2ポイントも上昇。飲食店からは「全国旅行支援や自治体による需要喚起策の影響か、平日も休日も1日の売上が伸びている」、「新型コロナの第7波が落ち着き、静岡市応援キャンペーンやしずおか食べトクキャンペーンで外食への意欲が上がっている」といった声が上がっている。

 

サービス業も現状判断指数64.8で、前回から23.9ポイントの大幅上昇となった。国の全国旅行支援事業の追い風を要因に挙げた事業者が多く、「ビジネスも観光も利用が高まり、宿泊需要が旺盛となっている」などと回答している。

 

小売業は43.3で、3.5ポイント上昇となった。商店街からは「来店頻度が高まった」と意見が出た一方、文房具販売店からは「値上げにより客単価が下がっている」というマイナス面の指摘もあった。

 

住宅業は5.9ポイント低下の34.1と厳しい結果となった。住宅・マンション販売店からは「資材等の値上げが止まらず、業界景気も停滞」、「物価高騰が消費マインドを下げ、商談数や受注数が減少した」など、厳しい声が出ている。

 

■数か月先の景況感も現状のまま 原材料費の高騰が不安材料

2~3か月先の景況感を示す「先行き判断指数」は49.8で現状判断と同じ。静岡経済研究所は、先行き判断を以下のようにまとめている。

 

「家計消費関連では、年末需要を見込む飲食業、サービス業や全国旅行支援を期待する観光需要により改善判断となった。事業者向けビジネス関連では、物価上昇の影響で受注の減少や価格転嫁できない状況を懸念し、悪化判断となった」

 

「雇用関連では、観光、飲食業界の求人の回復を見込むが、製造業を中心に海外情勢の不透明感や原材料価格の高騰などへの懸念が高まり、悪化判断に転じている」

 

新型コロナ感染拡大で大打撃を受けた飲食業やサービス業は急回復し、今後数か月間も先行きは明るい。一方、物価高に歯止めがかからない状況は、幅広い業種で不安要素なっている。

 

SHIZUOKA Life編集部)

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