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2023/01/30

LGBTQ当事者が最も嫌な一言 性別変えた俳優が伝えたい「うれしい言葉」と「NGワード」

清水第四中学校の全校道徳で講師を務めた西原さん

■西原さつきさんが講師 清水第四中学校で全校道徳

セクシャルマイノリティ(性的少数者)への社会的な関心や理解は高まっている。しかし、トランスジェンダーを公表するタレントの西原さつきさんは「何気ない一言に傷つく人もいます」と訴える。静岡市の清水第四中学校で講師を務めた全校道徳の授業では、避けた方が良い言葉、うれしい言葉を生徒に伝えた。

 

俳優やボイストレーナーなど幅広い分野で活動する西原さんは、16歳で女性ホルモン剤の使用を始め、26歳の時に性別適合手術を受けた。体と心の性別に違いがあるトランスジェンダーとしての経験を発信し、セクシャルマイノリティへの正しい理解を広めている。

 

今月14日には、全校道徳の授業で清水第四中学校に招かれた。西原さんは、レズビアン、バイセクシャル、トランスジェンダーといったセクシャルマイノリティの頭文字を取った「LGBTQ」について生徒たちに説明。そして、言葉の意味以上に大切なことがあると語りかけた。

 

「大事なのは言葉のニュアンスよりも、相手をもっと知りたいという気持ちです。私は当事者の1人としてLGBTQの正確な知識も伝えていきたいですが、相手を理解しようとする思いが分かれば、言葉の過ちはあまり気になりません」

 

西原さんも、友人の言葉に傷ついた過去はある。性別を女性に変えたいと思っていた学生時代、仲の良かった男友達に相談すると、こんな言葉が返ってきた。

 

「西原のことをもっと知りたいから教えてほしいんだけど、西原はいわゆるオカマということ?傷つけたら申し訳ない」

制服のイメージキャラクターもしている西原さん(本人提供)

■LGBTQにアンケート 最も嫌な言葉は「普通」

相談した男友達は、はっきりと物事を口にするタイプだったという。西原さんは悪意を感じなかったが、「言葉が強烈で驚いたりショックを受けたりしました」と回想する。男友達には「オカマではなくて、トランスジェンダーという表現の方が良いよ」と伝えたという。

 

西原さんは女性として生きると決めてから、言葉のニュアンスがあまり気にならなくなった。ただ、性格的に考え込んでしまうタイプの性的少数者もいる。同じトランスジェンダーの友人の中には「女性より女性らしいと言われると、自分は女性と思われていないと傷つく人もいます」と話す。

 

西原さんは周りにいる性的少数者200人ほどに、言われて最も嫌な言葉のアンケートを取ったことがある。結果は断トツだった。その言葉は「普通は」。何気なく口にしてしまいがちな「普通はしない」といった表現は、枠組みから外れた人に「普通ではない」と疎外感を抱かせる。

 

一方、相手を喜ばせる一言もある。西原さんは「さん付けされるとうれしいです。普段呼ばれている愛称さつきぽんの他にも、西原さん、さつきちゃんと呼ばれるのが好きです」と笑顔を見せる。

 

言葉は人を救う力がある。だが、時に凶器にもなる。正しい知識と相手を知ろうとする気持ちは性的少数者に対してだけでなく、どんな場面でも求められる。

 

(間 淳/Jun Aida

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