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2023/01/31

3日間で逮捕2人、懲戒処分1人 静岡県で相次ぐ教員の不祥事 処分の割合や研修内容は?

静岡県教育委員会が入る県庁西館

■過失運転致傷と強制わいせつの疑い 20代教員の男2人が逮捕

連日の謝罪となっている。静岡県では1月28日までの3日間に、教員の逮捕者2人、懲戒処分1人が発表されている。今年度の懲戒処分の人数は、2か月を残した今の段階で昨年度を超えている。教育委員会では不祥事根絶に向けた研修に力を入れているとしているが、根絶の道は険しい。

 

静岡県教育委員会は30日、県東部の中学校教諭に所属する24歳の男が過失運転致傷の疑いで逮捕されたと発表した。28日の夕方、交差点の横断歩道を渡っていたとみられる高齢男性を車ではねたとされている。教諭の逮捕を受け、静岡県教育委員会の池上重弘教育長は次のようにコメントしている。

 

「教育委員会が一丸となって不祥事根絶に取り組んでいる中、中学校の教員が逮捕されたことを非常に重く受け止めています。教育委員会といたしましては詳細な事実関係を確認の上、速やかに厳正な処分を行うとともに、このような事態が起こらないよう、教職員の綱紀の厳正保持に努めてまいります」

 

実は4日前にも池上教育長から、ほぼ同じコメントが発表されている。県西部の小学校に勤務する28歳の男が強制わいせつの疑いで逮捕されたためだった。昨年2月に10代の女性にわいせつな行為をしたとされている。

 

■今年度の懲戒処分12人 不祥事起こす教職員は1000人に4~5人

この日、教育委員会は懲戒処分も発表している。県中部の高校で働いていた30代の男性教諭が、勤務校の女子生徒に対してセクハラ行為をしていたことが発覚。昨年8月、SNSで性的な内容を含む不適切なメッセージを送り、不快感を与えていたという。停職4か月の処分を下している。

 

県教育委員会によると、これで今年度の懲戒処分は12人となった。残り2か月の段階で、すでに昨年度の11人を上回っている。2020年度の25人よりは改善しているが、教育委員会が目指す根絶には至っていない。

 

2020年度は懲戒処分と指導措置(訓告・厳重注意)を受けた教職員が計87人いた。これは教職員全体の0.44%にあたる。1000人に4~5人が不祥事を起こしている計算になる。全国平均の0.44%と同じだった。

 

■不祥事のタイプ6つに分類 県教委は研修に重点置いたが…

県教育委員会では「児童生徒に対するセクハラ、わいせつ行為」、「交通事案」、「不祥事案に対する当事者意識の欠如」の3つを課題と捉え、再発防止に向けた教職員の研修を実施している。不祥事を起こした教職員の発言から原因を6つの分類に分け、自分に当てはまる可能性を各教職員に考えさせた。

 

例えば、不祥事を起こした後に「自分には関係ないと思った」、「知らなかった」と発言した教職員は「学習不足型」に分類し、書類紛失や交通事故、飲酒トラブルやわいせつ事案の恐れがあると指摘している。

 

他にも「これぐらいなら良いと思った」、「相手に危害はないと思った」などと発言する教職員は「自己中心型」で、わいせつ事案や盗撮、体罰や交通違反のリスクがあると分析。「どうしても許せなかった」、「ついカッとなって」という発言者は「衝動型」で、暴力事件や中傷情報の拡散の可能性があるという。

 

皮肉にも1月は、県教育委員会が不祥事根絶に向けた研修に力を入れていた。逮捕や懲戒処分される教職員は、全体の割合を考えれば高くはない。だが、ごく一部の無責任な行動が教育への信頼を失墜させる。

 

SHIZUOKA Life編集部)

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