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2023/04/05

静岡県だけの文化!? 50年以上親しまれる新1年生の定番 県外や海外にも浸透

静岡県では多くの小学生が横断バッグを活用

■登下校で使う「横断バッグ」 静岡市「宮原商店」の商標登録

新年度が始まった。静岡県内の多くの小学校では今週、入学式が行われる。新1年生が新たに手にする静岡県の定番といえば「横断バッグ」。最近は県外、さらには海外でも知られ、購入する人が増えている。

 

静岡県の小学生が登下校する時に持っている黄色いバッグ。静岡市駿河区にある「宮原商店」が製造・販売する静岡県民にはおなじみの「横断バッグ」だ。

 

バッグには黒い文字で大きく「横断中」と書かれており、横断歩道を渡る標識のイラストがデザインされている。横断バッグは宮原商店の商標登録で、児童は学校への提出物や水筒などを入れて通学している。

 

バッグが誕生したのは、今から半世紀以上前の1968年だった。日本は高度経済成長期で、自動車の数が急激に増えていた。それに伴い、交通事故も急増。宮原商店の初代社長には当時、小学生の息子がおり、登下校中の交通事故を心配していた。そこで、通学路を通る児童が目立つように横断マークのついたバッグを開発した。

 

静岡県民以外にはあまり知られていなかった横断バッグは近年、県外や海外の人も購入している。県内の富士山静岡空港の売店でも販売されている。

 

■大人の愛用者も 形や色のバリエーション豊富

使用する人は、登下校中の小学生に限らない。園児や塾に通う小、中学生も使っている。耐久性の高さや撥水加工が特徴で、手持ちタイプだけではなくショルダータイプやポシェットタイプなど種類が豊富なところも人気の理由となっている。

 

色も定番の黄色に加えて、ピンクや水色などバリエーションが増えている。資料や弁当を入れるために購入する社会人もいるという。2020年には、車のライトが当たると光る反射材を縫い付けたタイプを静岡南警察署と共同開発している。

 

静岡県民に親しみのある横断バッグ。児童の交通事故を減らしたい思いで開発されたバッグは今、園児や高齢者の安全を守る役割も担っている。

 

SHIZUOKA Life編集部)

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