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2023/05/15

新型コロナ5類に移行 飲食店で思わぬトラブル 政府の対応に“恨み節”

新型コロナ5類移行で来客の検温をめぐり悩む飲食店も

■検温に来客で温度差 撤去賛成派と反対派で言い合い

新型コロナウイルスが5類に移行されて1週間が経った。人々の心理的ハードルが下がり、落ち込んだ来客数の回復を期待する飲食店は少なくない。静岡県の飲食店では実際に客足の変化を感じる一方、新たなトラブルが起きているという。

 

政府は5月8日、感染症の法律上「2類相当」としていた新型コロナの位置づけを季節性インフルエンザと同じ「5類」へ引き下げた。これにより感染力が弱まったわけではないが、外食を楽しむきっかけにしている人はいる。人数を増やしての会食を解禁した人もいる。

 

5類移行を歓迎している飲食店は多いだろう。長引く新型コロナ感染拡大で落ち込んだ客足や売上の回復が期待される。しかし、静岡市にある飲食店では思わぬ事態に悩んでいるという。

 

「5類移行のタイミングで、店の入口に設置していた検温の機会や座席に置いていたパーティションを撤去しました。しかし、一部のお客さまが『何で検温しないんだ』と大きな声で店員にクレームをつけ、それを聞いていた別のお客さまが『新型コロナが5類になったのを知らないのか』と指摘して、両者で言い合いになってしまいました」

 

■振り回される飲食業 「政府の対応には不信感しかない」

この店では新型コロナへの不安がある来客に向け、入口に置いた消毒液はそのままにしている。ただ、季節性インフルエンザが流行するシーズンに検温やパーティションの設置をしてこなかったことから、新型コロナの5類引き下げのタイミングで感染症への対応を変更した。しかし、新型コロナへの意識は来客によって温度差が小さくないという。

 

「検温をしてほしいという要望は、他のお客さまからもいただいています。強いトーンで店員に言ってくるお客さまもいます。一方、『5類になったのだからコロナ前のお店に戻すべき』と考えているお客さまもいます。店としては難しい状況です」

 

飲食店は新型コロナの影響が色濃い業種と言える。休業要請の対象となり、営業時間の短縮や酒類の制限を強いられた。客数は大幅に減り、静岡市内の繁華街でも閉店を余儀なくされた飲食店は多い。5類移行の対応に苦慮する飲食店の店主は、こう続ける。

 

「飲食店に対する政府の対応にはコロナが始まってから今まで不信感しかありません。飲食でどのくらいの感染リスクがあったのか結局、十分な説明がないまま、5類に移行しました。飲食店でのトラブルの一因は、5類に移行した根拠や説明が不十分でお客さまの疑問や不安が解消されていないこともあると思います」

 

この店は、トラブルを回避するため検温の再開を検討している。同様のトラブルは、他の飲食店でも起きているという。

 

SHIZUOKA Life編集部)

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