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2023/06/11

小学校時代の“特権”で爬虫類に没頭 カブトムシとクワガタが大嫌いなワケ

白輪さんは捜索を依頼されてアミメニシキヘビを捕獲した経験も

■あだ名は「動物博士」 小学生でセールスマン脱帽させる知識

生き物なら何でも好きなわけではなかった。河津町の体感型動物園「iZoo」を運営する白輪剛史園長の連載、今回は爬虫類にのめり込んだ理由。どんな生き物も好きな印象がある白輪さんだが、「カブトムシとクワガタは大嫌い」と明かす。

 

爬虫類は幼稚園の頃から飼っていました。犬を飼いたいと思った時期もありましたが、犬や猫は飼ってはいけない家庭でした。園児の時にカメやカエル、トカゲなどを飼う中で、それぞれに違いがあるところに爬虫類のおもしろさを感じたのだと思います。

 

周りにも爬虫類好きで知られていて、小学生の時は動物博士とあだ名がつきました。その頃、小学校の校門の外に色んなセールスマンが立っていました。映画のパンフレットや習い事のチラシなどを配っていましたが、その中に図鑑のセールスマンがいました。

 

私はセールスマンに販売している動物図鑑を見せてもらいました。中身は全て知っている内容だったので「全部知ってるからいらない」と伝えると、セールスマンは興味を持ったのか、家に連れて行ってほしいと言ってきました。

 

家に向かう途中、「パンダのエサを知ってる?」と聞かれたので、「自然では竹もタケノコも食べるし、動物も食べる。動物園だとトウモロコシ団子も食べる」と答えました。セールスマンは「うちの図鑑には載ってない情報だな」と笑っていました。そして、自宅で普段、どんな本を読んでいるのか見せたら、セールスマンは図鑑の売り込みをせずに帰っていきました。

白輪さんが「生き方が許せない」と指摘するカブトムシ

■カブトムシは爬虫類の対極 「生き方が許せない」

今振り返ると、爬虫類に没頭した理由かもしれないと思い当たる出来事があります。小学4年生の頃、すでに小学校の先生にも爬虫類好きと知られていて、校内でヘビが出ると、先生や用務員さんが「捕まえてほしい」と授業中でも私を呼びに来ました。

 

みんなが授業を受けている中、私は内履きの音をキュッキュッと鳴らしながら廊下を走って校門の外に向かうわけです。自分は他の人と違う時間を過ごしている、大人に頼られているという特別感から、より爬虫類を好きになっていったのだと思います。廊下に響かせた内履きの音は今でも覚えています。

 

爬虫類が大好きな一方、大嫌いな生き物もいます。カブトムシとクワガタです。それは、ただ木の蜜を吸っているだけで、彼らが何もしていないから。イケメンという理由で、ちやほやされている生き方が許せません。

 

何の努力もせずに愛されるのがカブトムシとクワガタなら、対極にいるのが爬虫類です。何も悪いことをしていないのに、気持ち悪いと言われて、ずっと虐げられています。だから、私はカブトムシやクワガタは絶対に扱いません。

 

<プロフィール>

白輪剛史(しらわ・つよし)。1969年生まれ、静岡市出身。静岡農業高校卒業。幼少期から爬虫類に興味を持ち、1995年に動物卸商「有限会社レップジャパン」を設立。2002年から国内最大級の爬虫類イベント「ジャパンレプタイルズショ―」を開催。2012年に体感型動物園iZooをオープンして園長に就任。

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