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2022/09/16

全国平均は過去最大の上げ幅 静岡県は944円 最低賃金の決め方は?下回ったら罰則?

10月から新しい最低賃金適用 静岡県は31円増の944

8月に決まった今年度の最低賃金は、10月から適用される。全国平均は過去最大となる31円の引き上げで、平均時給は961円となる。静岡県も全国平均と同じ31円上がり、944円が適用される。最低賃金はどのように決まるのか。最低賃金を下回る金額で契約した場合は、どうなるのか。最低賃金が適用されない雇用形態はあるのかなど、意外と知らない疑問を解決する。

 

今年度の静岡県の最低賃金は89日、現行の時給913円から31円引き上げられ、944円に決まった。厚生労働省などによると、最低賃金は、最低賃金審議会で議論し、それぞれの都道府県の労働局長が決定している。最低賃金審議会は、公益代表、労働者代表、使用者代表の各同数の委員で構成されている。

 

静岡県の場合は、静岡地方最低賃金審議会が県内の経済情勢や雇用状況などを踏まえて審議し、静岡労働局長に年度の最低賃金を答申する。労働局長は、その答申を判断、決定する。最近5年間の引き上げ額は、昨年度が28円、2020年度は改正なし、2019年度は27円、2018年度は26円、2017年度は25円だった。

 

■最低賃金より低い契約は無効 違反した使用者には50万円以下の罰金

経済や雇用の状況は都道府県によって差があるため、最低賃金は全国一律ではない。最も低いのは青森や沖縄などの853円で、最も高い東京は1072円となっている。今年度の引き上げ幅は全国平均で31円だった。

 

最低賃金制度は、最低賃金法に基づいて国が賃金の最低額を決めたもので、使用者は最低賃金以上の金額を労働者に支払わなければいけない。最低賃金より低い金額で契約すれば、使用者と労働者双方が合意の上でも法律によって無効とされ、使用者は最低賃金と同額を労働者に支払う義務がある。守らなければ、50万円以下の罰金が定められている。

 

時給制の働き方であれば、最低賃金は分かりやすい。月給制であれば、時給換算する。例えば、基本給15万円、職務手当5万円、通勤手当1万円、時間外手当3万円で、年間の所定労働日数は250日、1日の所定労働時間が8時間の労働者は以下のようになる。通勤手当、時間外手当、家族手当などは最低賃金の対象とはならないため除外して計算する。

 

15万円+5万円+1万円+3万円)-(1万円+3万円)=20万円

20万円×12か月)÷(250日×8時間)=1200

 

■最低賃金は全ての雇用形態に適用 年齢、業務内容、労働能力で一部は例外

最低賃金はパート、アルバイト、嘱託など雇用形態にかかわらず、全ての労働者に適用される。ただし、「18歳未満と65歳以上の労働者」、「雇用後、一定期間未満の技能習得中の労働者」、「特有の軽易な業務に従事する労働者」は対象外となっている。

 

具体的には、精神や身体の障害により著しく労働能力が低いケースや、使用期間中、労働が断続的な場合は、最低賃金以下の特例が認められている。厚生労働省は「一律に最低賃金を適用すると、かえって雇用機会を狭める恐れがあるため」としている。

 

新しい最低賃金は101日以降、全国で順次適用される。静岡県は105日からとなる。

 

SHIZUOKA Life編集部)

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