■虫がうごめく動画拡散　店側の調査で虫や混入経路特定できず

ブランドイメージは大きく損なわれていないのかもしれない。ラーメンに異物が混入していたという動画がSNSに投稿された大手ラーメンチェーンの来来亭では、該当の店舗を無期限の営業停止にしている。ただ、営業している他の店舗ではランチタイムに待ち時間が出るほど人気は根強い。

虫がうごめく動画を撮影してSNSに投稿　無期限営業停止にネット上は賛否

全国展開する大手ラーメンチェーンの来来亭は、静岡県内にも14店舗を構えている。その中の1つ、浜松市の浜松幸店で異物混入を訴える来店客が現れた。

この来店客は6月9日、注文したラーメンの豚肉の上に虫がうごめいていたとされる動画をSNSに投稿した。動画は拡散され、店舗を特定した来来亭は浜松幸店を「無期限の営業停止」とした。

そして、専門業者や保健所と協力して混入した可能性のある虫や混入の経路を調査した。調査の結果、ネギハモグリバエがカットネギに付着していた可能性など3つの推測を挙げたが、特定には至らなかったという。

投稿された動画はインターネット上で議論を巻き起こしている。動画を見た人からは「同じような被害に遭う人を事前に減らせてよかった」というコメントがある一方、「どんな意図で投稿したのか説明してほしい」、「何度見ても虫なのか分からない」といった疑問を投げかける声が多い。

静岡県内を含む全国各地に店舗を構える来来亭

■静岡県の店舗では昼食時に行列　「動画は気にしない」

投稿された動画の通り注文したラーメンに虫がうごめいていれば、ブランドイメージが損なわれて他の店舗でも来店客の大幅な減少につながるだろう。だが、実際は客足が衰えているようには見えない。

実際、静岡県内の店舗では昼食時に満席となって、店の外まで列ができているところもあった。異物混入の騒動を知った上で来店した人たちからは、次のように話している。

「来来亭のラーメンが好きだし、元気いっぱいな店員さんにも好感を持っている。動画の件は気にしていない。応援している」

「飲食店であれば、虫が入ることくらいはあり得る。今まで通り来店を続けるつもり」

「動画を見たけど、本当に虫なのか疑問。インプレッションを稼ぐ目的なのか承認欲求なのか、いずれにせよ何でも撮影して投稿する人の情報は信じていない」

今回の事態を受け、来来亭では6月19日に全店舗一斉の臨時休業日を設ける。全店舗で店内外の清掃・衛生点検・設備確認などを実施し、店舗衛生や環境美化のさらなる向上を図るという。

（SHIZUOK Life編集部）