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2023/08/20

静岡県でも逮捕者 施行から1か月「撮影罪」とは? 迷惑行為等防止条例より厳罰化

被害が急増している盗撮

■盗撮検挙5737件で過去最多 前年から718件増加

深刻な盗撮被害を減らそうと、盗撮の処罰は厳罰化されている。これまでの迷惑行為等防止条例は自治体によって処罰対象が異なっていたことから、「性的姿態撮影等処罰法」が7月に制定された。静岡県内でも新法が適用された逮捕者が出ている。

 

7月、富士宮市の宿泊施設で女性の下着などを盗撮した疑いで39歳の会社員の男が逮捕された。男は小型カメラを仕掛けて女性の下着姿を撮影していたという。

 

この男に適用された「性的姿態撮影等処罰法」は7月に施行された。これまで盗撮行為に対しては「県迷惑行為等防止条例」が適用されていたが、新たな法律が定められた。

 

背景にあるのは、歯止めがかからない盗撮行為。昨年1年間に全国で検挙された件数は過去最多の5737件で、前年から718件増えている。スマートフォンによる盗撮が全体の8割近くを占め、トイレや更衣室、駅構内の階段やエスカレータなどでの被害が多い。

 

■違法撮影の範囲拡大 データ提供や16歳未満の撮影も処罰対象

盗撮行為は今までも検挙の対象となっていたが、取り締まりのハードルがあった。迷惑行為等防止条例は都道府県によって処罰の対象が異なり、児童ポルノ禁止法は対象が児童に限られている。そこで、性的姿態撮影等処罰法が制定された。

 

性的姿態撮影等処罰法は、これまでよりも違法な撮影行為に対する範囲を広げている。撮影だけではなく、第3者への撮影データ提供や第3者への提供目的での保管も処罰の対象となる。法定刑も3年以上の懲役または300万円以下の罰金と重くなった。

 

違法な撮影は、正当な理由なしに性的な部位や身に着けている下着、わいせつな行為や性交などの撮影を指す。性的な行為ではないと相手に誤信させたり、特定の人物以外は画像を見ないと誤信させたりして、違法な撮影をすることも禁じられている。また、正当な理由なしに16歳未満の撮影をすることも処罰の対象となる。撮影行為の未遂も処罰される。

 

撮影罪が適用されない「正当な理由」には、医師が医療行為のルールに従って患者の裸を撮影することや、保護者が16歳未満の子どもの成長記録として水遊びをしている姿を撮影すること、地域の相撲大会で上半身裸の子どもを撮影することなどが挙げられている。

 

近年議論を呼んでいる競技中の女性アスリートのユニホーム姿を撮影する行為は、性的意図があるのかを判別するのが難しいとして、撮影罪の対象から外れている。服を着た女性の無断撮影も対象外だが、服の上からでも卑猥な映像と判断されると迷惑行為等防止条例に違反する可能性がある。

 

SHIZUOKA Life編集部)

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