2025/08/28
プロの登竜門に1013人から16人選出 静岡県からも2人 父が定める“3つのルール”

ベイスターズジュニアに選出された「長泉リトルヤンキース」の稲木選手(左)と岡田選手
■年末開催の「NPBジュニア」 ベイスターズジュニアのメンバー発表
年末恒例の「NPBジュニアトーナメント KONAMI CUP」を前に、DeNAが「横浜DeNAベイスターズジュニア」のメンバーを発表した。過去最多となる1013人から選出された精鋭は16人。静岡県のチームからもメンバーに選ばれている。
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「NPBジュニアトーナメント」は小学生のトップ選手が集まり、“プロの登竜門”と呼ばれる。過去の大会には、ソフトバンク・近藤健介選手(ロッテジュニア)や阪神・佐藤輝明選手(阪神ジュニア)ら数多くのプロ野球選手が出場している。
今年のメンバーを発表したDeNAジュニアは、おととしの大会で7年ぶり2度目の優勝を果たした。出身選手には、パドレス・松井裕樹投手や楽天・渡邊佳明選手らがいる。今回は7月から8月にかけてセレクションを実施し、過去最多となる1013人の中から16人を選んだ。
DeNAは横浜を本拠地とすることから、メンバーは神奈川県をはじめとする関東のチームが中心となる。その中で、長泉町で活動する「長泉リトルヤンキース」から稲木蒼介選手と岡田絃希選手の2人が選出された。稲木選手の父親は富士高校野球部の監督をしている。野球部の監督であり球児の父親である。息子と接する上で3つのルールを心がけているという。
①「試合に勝った?」の前に「楽しかった?」と聞く。
②積極的にプレーすれば失敗しても褒める。
③自分から練習に誘わない。ノックを打ってほしいなど、息子から声をかけられた時に練習を手伝う。

投打でチームをけん引する稲木選手
■選手の成長妨げる過剰な干渉 保護者の役割は?
少年野球では保護者が子どもに期待するあまり、過剰に干渉するケースが少なくない。保護者自身が選手だった頃に教わったひと昔前の知識や、SNSやYouTubeで聞きかじった情報を子どもに教える。その内容がチームの指導者の方針と異なり、子どもが板挟みになって戸惑う悪循環が生まれる話は多くのチームで耳にする。
「この前、息子とキャッチボールをしていたら、隣でノックを始めた親子の父親が『そんなんだからレギュラー外されるんだ』と怒鳴りながら練習していました。親子とはいえ聞くに堪えられなかったです。その横で、『ナイスボール。こんなに強いボール投げられるようになったんだ』などといいながら息子との貴重な時間を過ごしました」
保護者の熱量が子どもたちにとって逆効果になることもある。プレーしているのは子どもたちなのにもかかわらず保護者が勝利に浸り、まるで大人のために子どもが“やらされている”ように見えるチームもある。子どもたちのミスに対して怒声罵声を浴びせたり、自主練習にノルマを課したりすることで、野球の楽しさや成長のチャンスを子どもたちから奪う可能性がある。稲木選手の父が語る。
「選手は少なからず試合のさまざまな場面で、プレーするプレッシャーを感じているはずです。緊張する打席や大事な場面で打球が飛んでくるなどその局面がプレッシャーであり、成長するきっかけになっています。家では子どもと野球談義を一緒に楽しんでいます。親として子どもをどうやって支えられるか。楽しいと感じたまま成長していくかを見守っています。いずれ苦しいことを感じる年代がやってきますから」
野球を楽しいと感じ、上手くなりたいと思えば、子どもたちは自主的に練習する。指導者や保護者がミスを叱責せずに挑戦を後押しすれば、子どもたちは失敗を恐れずにチャレンジする習慣が身に付く。NPBジュニアに入る選手たちは運動能力が同世代では突出しているかもしれない。ただ、上達する要因は保護者のサポートの仕方も無関係ではないだろう。
「NPBジュニアトーナメント KONAMI CUP 2025」は12月26日から29日まで、神宮球場と横浜スタジアムで開催される。「横浜DeNAベイスターズジュニア」は元DeNAの松井飛雄馬監督がチームを指揮する。
(Jun Aida/間 淳)