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2025/11/08

秋の山に潜む危険 シイタケと似た毒キノコ採取 静岡県で11人が集団食中毒

食中毒の原因となる毒キノコ「ツキヨタケ」(厚生労働省のHPより)

■食中毒の原因はツキヨタケ 県が4つのポイント呼びかけ

行楽の秋を迎え、山歩きやキノコ採りを楽しむ人が増えている。そんな中、静岡県で毒キノコによる集団食中毒が発生した。毒キノコのツキヨタケをシイタケと間違えて採取したという。県は野生キノコによる食中毒を防ぐため、4つのポイントを呼びかけている。

 

例年以上のペースで発生している食中毒 浜松市では2日連続で判明

 

県によると、11月2日に4家族11人が嘔吐などを発症して医療機関を受診した。診断の結果、食中毒だった。患者は男性5人(6〜71歳)、女性6人(1〜66歳)で、全員が快方に向かっている。

 

食中毒の原因となったのはツキヨタケだった。患者の1人が御殿場市内の山林でシイタケと誤認して採取して持ち帰り、親族の会食時に長崎ちゃんぽんの具材で使用したという。調理残品などを調べた結果、ツキヨタケが原因食品と確認された。

 

ツキヨタケは夏から秋にかけて、ブナやイタヤカエデなどの枯れ木に重なり合って発生する。傘は初め黄褐色で、成熟すると紫褐色から暗紫褐色に変わる。シイタケやムキタケとよく似ており、誤食による食中毒が毎年のように発生している。食後30分〜1時間ほどで嘔吐、下痢、腹痛などの症状が現れる。

 

静岡県内では今年、今回を含めて20件716人の食中毒が発生しており、前年同期の13件315人を大幅に上回っている。また、県では2012年から2014年にかけて、御殿場市や富士宮市、富士市、裾野市、小山町で採取された野生キノコから、食品衛生法の基準値(100ベクレル/kg)を超える放射性セシウムが検出されたことを受け、現在も採取や摂取、出荷を控えるよう求めている。

 

秋の行楽シーズンで山に出かける機会が増える中、県は毒キノコによる食中毒を防ぐため、知らないキノコを「採らない」、「食べない」、「売らない」、「人にあげない」と4つのポイントを挙げる。そして、「毒キノコの中には、人を死に至らしめるほどの強い毒を持っているものもありますので、素人判断で安易に野生のキノコを食べたり、人にあげたり販売したりするのは絶対にやめましょう」と呼びかけている。

 

SHIZUOKA Life編集部)

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