2025/12/24
年間1100万円で決定 野球の“聖地”に新たな愛称 県民は歓迎と戸惑い交錯
■静岡市の草薙球場 新愛称が「しずスタ」に決定
野球の“聖地”の愛称が決まった。静岡県は県営草薙球場のネーミングライツを静岡鉄道が取得したと発表した。県が運営するスポーツ施設では初の取り組みで、新たな愛称は「しずてつスタジアム草薙」に決まった。
どうなる?くふうハヤテのネーミングライツ問題 主張が真っ向対立
静岡県は今年8月15日から10月15日まで、静岡市にある草薙球場のネーミングライツパートナーを募集していた。応募のあった2社を審査した結果、静岡市に本社を置く鉄道事業者「静岡鉄道」が選定されて契約を結んだ。県が管理する公共土木施設としては、初のネーミングライツ導入となる。
愛称は「しずてつスタジアム草薙」、略称は「しずスタ」に決まった。ネーミングライツの契約期間は2026年4月からの5年間で、金額は年間1100万円。県は資金を施設の管理や運営に充てる。
草薙球場は静岡鉄道の前身となる静岡電気鉄道が近くにあった野球場を1930年に移設して開設され、1939年に県に寄付された深い縁がある。1934年には日米野球の舞台となり、沢村栄治とベーブ・ルースらが名勝負を繰り広げた。野球ファンからは“聖地”として知られている。

草薙球場入口にはベーブ・ルースと対峙する沢村栄治の像
■「最適な企業」、「違和感ある」 県民は命名権に賛否
ネーミングライツで新しい愛称が決定し、県民からは歓迎や戸惑いの声が上がっている。静岡鉄道は馴染みのある企業とあって、「地域に根付いている会社に決まって良かった。球場の最寄りは静鉄の駅で、県に寄付した経緯を考えても最適だと思う」、「草薙の名前が残っているし、妥当なネーミングで安心した。球場の維持管理には費用がかかるので、ネーミングライツは悪くない」など、好意的な意見が上がる。
一方、草薙球場の名称が定着しているため、「契約期間の5年間で、しずスタが浸透するかは疑問。典型的な地方球場なので、スタジアムという愛称にも違和感がある」、「しずスタと見ると、静岡スタジアムの略称だと思ってしまう。宣伝効果はあまり高くなさそう」、「草薙球場のままがよかった。複雑な心境」といった声もあった。
県営球場のネーミングライツは全国的に広がっている。静岡県は「最低募集金額1000万円」、「契約期間は2026年4月から5年間」、「愛称に草薙を含む」などの条件を設け、草薙球場のパートナーを募集していた。
(SHIZUOKA Life編集部)






