2026/05/29
100年以上の調査で初めて 静岡県の全35市町で人口減少 静岡市は3万3000人減
■静岡県の人口346万人 5年前の調査から16万人減少
静岡県の人口減少が、これまでにない局面に入っている。国が実施した2025年国勢調査の速報値で、県内35市町すべての人口が前回調査より減少したことが明らかになった。すべての市町で減少したのは、調査を開始した1920年以来、初めてだという。県全体の減少幅も過去最大となり、中でも静岡市は深刻な状況となっている。
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2025年国勢調査の速報値によると、2025年10月1日現在の静岡県の人口は346万8845人だった。前回の2020年調査と比べて16万4357人、率にして4.5%減少した。県人口は2010年調査で初めて減少に転じ、その後も減少傾向が続いている。
男女別では、男性が170万7440人、女性が176万1405人。男性は8万3678人、女性は8万679人減った。全国順位は人口が10位、増減率が27位だった。
今回の結果で特に目を引くのは、県内35市町すべてで人口が減少した点だ。人口減少はこれまでも県内各地で進んでいたが、全市町がそろって減少するのは1920年の調査開始以来初めてとなる。

人口の減少幅が過去最大となった静岡県
■静岡市の減少数が最多 伊豆地域は高い減少率
市で最も人口が多かったのは浜松市の76万5750人で、次いで静岡市の65万9620人、富士市の23万7793人、沼津市の17万9438人、磐田市の16万548人だった。町では長泉町の4万3257人が最多で、函南町、清水町、吉田町、小山町が続いた。
一方、人口の減少数が最も大きかったのは静岡市で、前回調査から3万3769人減った。次いで浜松市が2万4968人減、沼津市が9948人減、富士宮市が8920人減、富士市が7599人減だった。
減少率が最も大きかったのは川根本町の14.3%で、西伊豆町が14.2%、松崎町が13.4%、下田市が11.2%、南伊豆町が11.1%。伊豆地域や中山間地域で、減少率の大きさが目立つ結果となっている。
県庁所在地であり、政令指定都市でもある静岡市でも人口減少が大きく進んだ。静岡市の人口は65万9620人で、前回の69万3389人から3万3769人減少。減少率は4.87%だった。
■静岡市長は強い危機感 「長年の構造的な課題」
静岡市の人口は、1990年をピークに減少が続いている。2020年調査では69万3389人だったが、今回の速報値では66万人を下回った。静岡市の難波喬司市長は今回の結果に強い危機感を示し、「静岡市を取り巻く人口減少の厳しさを改めて示すもの」と受け止めた。そして、人口減少の理由について、長年の構造的な課題と説明している。
さらに、難波市長は若年層の流出にも触れた。静岡市では大学の定員数が多く、大学入学時に若者が流入する一方、卒業時に市外へ多く流出しているという。市は新規雇用の創出が不足してきたことが主な要因と考えている。
街から人が減る背景には、出生数と死亡数の差による「自然増減」だけでなく、転入と転出の差による「社会増減」もある。市は、自然減を短期間で増加に転じさせるのは難しいのに対し、社会増減は有効な施策によって改善できる可能性があるとしている。
そのため、静岡市は企業用地やオフィスの供給、投資促進による地域経済の活性化を進め、若者の雇用創出や所得向上を図る方針だ。あわせて、空き家活用による住宅確保や子育て環境の充実、移住支援制度の周知、大学・専門学校などの教育機関の誘致にも取り組むとしている。

人口減少が深刻な静岡市
■静岡県の世帯数は増加 世帯数の小規模化加速か
また、県全体では人口が減る中で、世帯数は増えている。静岡県の世帯数は150万1036世帯で、前回調査から1万7564世帯、1.2%増加した。人口は減っているのに世帯数は増えるという結果から、世帯の小規模化が進んでいる可能性もうかがえる。
鈴木康友知事は調査結果に対し、「人口減少が加速度的に進み、改めて強い危機感を持ちました」とコメントした。その上で、人口減少の抑制対策に加え、将来にわたって豊かで活力ある社会を構築する適応対策に取り組む」としている。
今回の速報値は、静岡県が直面する人口減少の厳しさを改めて浮き彫りにした。人が減る中で、地域の暮らしや産業、交通、医療、教育をどう維持していくのか。県内各地で、これまで以上に具体的な対応が問われる。
(SHIZUOKA Life編集部)








