2026/06/08
エアコン代だけではない猛暑の負担 約半数の企業に「悪影響」 プラスはわずか4%
■コスト面で猛暑の影響 水道光熱費増加の企業75.8%
家庭のエアコン代が気になる季節、企業の現場でも暑さへの負担が重くなっている。静岡県内の企業を対象にしたアンケートで、猛暑によって事業全体にマイナスの影響が出ていると感じる企業が5割弱に上ることが分かった。水道光熱費の増加や熱中症などの体調不良、来客数の減少など、影響は働く現場から経営まで広がっている。
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静岡経済研究所は、静岡県内に本社や事業所を置く企業1000社を対象に「猛暑による企業活動への影響に関するアンケート調査」を実施した。調査期間は3月18日から4月13日までで、282社から有効回答を得た。
近年の猛暑による事業全体への影響については、「大いにマイナス」と「ややマイナス」を合わせた回答が48.6%だった。一方、「大いにプラス」と「ややプラス」は合わせて3.9%にとどまり、猛暑を負担として受け止める企業が多い実態が浮かんだ。
特に影響が大きかったのが、コスト面だ。水道光熱費については、「大いに増加」と「やや増加」を合わせた回答が75.8%に上った。厳しい暑さの中で、冷房や設備の稼働は欠かせない。従業員や来店客の安全を守るために必要な対策が、企業の費用負担にもつながっている。
原材料費が増加したと答えた企業は30.6%、人件費が増加したと答えた企業は33.7%だった。売上高については、増加した企業が9.3%だったのに対し、減少した企業は17.1%だった。猛暑によって需要が伸びる商品やサービスがある一方で、全体としてはマイナスの影響を受ける企業の方が多い結果となった。

写真はイメージ
■熱中症や稼働時間の減少 労務面にも影響
働く人への影響も大きい。猛暑による労務面への影響について、「影響あり」と回答した企業は74.7%に上った。業種別では、運輸・物流業が89.7%、建設業が81.8%と高く、屋外作業や移動を伴う業種で負担が大きい傾向がみられた。
具体的な影響として最も多かったのは、「熱中症など体調不良者の増加」で89.5%だった。そのほか、「稼働時間の減少」が25.4%、「ケガや事故の発生」が21.5%、「人的ミスの増加」が19.6%だった。暑さは体調管理だけでなく、安全確保や作業効率にも関わる問題になっている。
影響は、仕入れや生産の現場にも広がっている。調達・仕入れでは、影響があると答えた企業のうち81.4%が「仕入価格の上昇」を挙げた。原材料や商品の入手困難、品質劣化を挙げた企業もあり、猛暑は商品や原材料の価格だけでなく、供給面や品質面にも影響を及ぼしている。
生産の現場では、「作業の一時中断」が46.9%で最も多かった。「機械・設備の故障」も41.7%に上り、高温による設備トラブルが現場の稼働を止めるケースもある。さらに、製品の品質不良や虫の発生・混入リスクの上昇といった課題も挙がった。

猛暑の影響を受けやすい屋外の仕事
■業務上や経営課題 高まる企業の問題意識
販売やサービス提供の現場では、来客や来店数への影響が目立つ。影響があると答えた企業のうち、「来客・来店数の減少」は57.6%だった。暑さによる外出控えが、小売や飲食、観光関連などの業種に影響している可能性がある。一方で、エアコン関連や飲料など、猛暑が需要増につながる分野もある。
企業の問題意識も高まっている。猛暑について「業務上の課題として認識している」と答えた企業は44.0%で最も多かった。「経営課題の一つとして認識している」は31.3%、「重要な経営課題として強い問題意識を持っている」は11.6%で、合わせると4割を超える企業が猛暑を経営上の課題として捉えている。
猛暑は、単に「夏の暑さ」として受け止めるだけでは済まない段階に入りつつある。従業員の健康管理、光熱費の負担、設備の維持、仕入れや販売への影響など、企業活動の幅広い場面で対応が必要になっている。夏本番を前に、県内企業にとって暑さへの備えは、働く人を守り、事業を続けるための重要な課題になっている。
(SHIZUOKA Life編集部)








