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2025/08/02

休んでも欠席にならない「ラーケーション」 静岡の県立2校で初導入へ 全国で広がるワケ

■学校以外で学ぶ機会 愛知県が全国で初めて導入

静岡県は県立高校2校でラーケーションを導入すると明らかにした。登校しなくても欠席扱いにならない制度で、最大3日間取得できるという。

 

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ラーケーションは「ラーニング(学び)」と「バケーション(休暇)」を組み合わせた造語で、学びを目的に休暇を楽しむことを意味する。ビジネスでも使われるが、教育においては、児童生徒が学校以外の場で学んだり、家族と過ごす機会を増やしたりする目的がある。

 

例えば、農業やモノづくりを体験したり、史跡を訪れて歴史を調べたりする過ごし方がラーケーションにあたる。他にも、音楽や演劇の鑑賞、アスレチックなど範囲は広い。外出するだけではなく、自宅で家族と一緒に料理することも含まれるという。

 

ラーケーションは2023年9月、愛知県が公立学校(名古屋市を除く小・中・高校、特別支援学校)で初めて導入した。その後、全国に動きが広がっている。

 

■県立高校の中等部2校で導入へ 磐田市は実証実験

県内では磐田市が昨年9月から今年3月まで、導入に向けて一部の小中学校で実証実験を行った。そして、県はともに県立高校の中等部である清水南高校中等部と浜松西高校中等部の2校でラーケーションを導入すると発表した。年間で最大3日間取得可能で、事前申請すれば欠席扱いにならない。9月から申請を受け付ける。

 

ラーケーションについては、賛否が分かれている。賛成する人たちからは「土日が仕事の家庭にとっては、子どもと過ごす時間が確保できる」、「学校以外を学びの場にするのは良い制度」といった声が上がる。

 

一方、「ラーケーションをつくらなくても、休みたい時に休めば良い。新たな制度をつくるより、欠席を悪とする考え方を変えるべき」、「テーマパークに行ってもラーケーション扱いになるのだろうか?金銭的にゆとりのない人は出かけられず、家庭内の格差が表れそう」など、否定的な人もいる。

 

県は今後、市町と連携してラーケーションを拡大していくという。「家族とのつながりや多様な学び」につなげる考えだ。

 

SHIZUOKA Life編集部)

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