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2025/09/02

9月は1422品目 止まらない値上げに家庭はため息 スーパーは板挟みに悲鳴

■前年上回る値上げ品目数 9か月連続で過去最長

食品の値上げが続き、家計への影響が強まっている。帝国データバンクの調査によると、9月の飲食料品値上げは1,422品目に上り、9か月連続で前年を上回った。調味料や菓子、酒類など身近な商品が相次いで値上げされ、静岡県内のスーパーは価格転嫁すれば利用客の購買意欲を損なう板挟みに直面している。

 

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帝国データバンクの「食品主要195社 価格改定動向調査」によると、主要食品メーカー195社における飲食料品の値上げは、9月単月で1,422品目となる。前年同月(1,414品目)から8品目増え、9か月連続で前年を上回った。統計開始以来の最長記録を更新しており、値上げの流れは長期化している。

 

分野別では、たれやソース、マヨネーズ、ドレッシング類などの「調味料」が427品目で最多だった。冷凍食品や水産練り製品などの「加工食品」が338品目、チョコレートやポテトチップス類など「菓子」が291品目で続く。さらに、「乳製品」ではアイスやチーズなどが一斉に値上げされた。

 

2025年通年では、11月までの公表分で累計2万34品目に達し、前年(1万2,520品目)を大幅に上回った。これは2023年(3万2,396品目)以来2年ぶりの規模で、1回あたりの平均値上げ率は15%。前年よりはやや低いが、高止まりした状態が続いている。

写真はイメージ

■静岡県でも値上げの波 スーパーも利用客も悲鳴

値上げの背景には、国際的な原材料高に加え、国内の人手不足による労務費や物流費の上昇がある。特に「物流費」(80.3%)と「人件費」(54.2%)を要因に挙げた企業が前年から大幅に増加。円安要因が減少した一方で、「内的要因」が強まっている点が特徴だ。

 

全国的な値上げの波は、食品産業が集積する静岡県内にも及んでいる。静岡市内のスーパーマーケットでは、調味料や菓子類の価格上昇を前に「価格転嫁しないと仕入れを維持できないが、値上げはお客様の購買意欲を削ぐ」と懸念を示す。買い物客からは「いつまで値上げ傾向が続くのか」、「レジで金額を見ると驚くことが増えた」とため息が漏れる。

 

帝国データバンクは、10月に予定される食品の値上げ品目が3,000品目を超える見通しであると指摘する。これは半年ぶりの規模であり、秋以降も“値上げラッシュ”が続くとみられる。

 

専門家は「一時的なコスト増ではなく、物流費や人件費の上昇といった恒常的な要因による値上げが常態化しつつある」と分析している。静岡の現場からは「生活防衛のために買い控えが進めば、地域経済への打撃も避けられない」との声も聞かれ、全国と同じく県民生活を直撃する状況となっている。

 

SHIZUOKA Life編集部)

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