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2022/10/31

ゆたぼんの日本一周で関心高まる不登校 全国で初の20万人超 静岡県も過去最多更新

静岡県は不登校もいじめ認知件数も過去最多を更新

■静岡県の小中学生不登校は25%増 全体の割合は全国平均上回る

「少年革命家」を名乗る13歳のユーチューバーゆたぼんが、不登校の自由を訴えて日本一周の旅を続けている。その行動に賛否両論が巻き起こっているが、不登校への関心は高まっていると言える。そんな中、全国の合計と同様に静岡県の小中学校では昨年度、不登校の児童生徒の数が過去最多を更新した。県内のいじめ件数も7割増え、2万件に迫っている。

 

文部科学省の調査によると、全国の公立私立小中学校で昨年度、不登校になった児童・生徒は24万4940人で、2020年度から4万8813人増えた。少子高齢化で子どもの人数が減少する中、20万人を超えたのは初めてだという。文科省は不登校を「病気や経済的な理由など特別な事情なく、欠席日数が年間30日以上となった状態」と定義している。

 

静岡県教育委員会によると、静岡県の不登校は小学校が29%増加の2642人、中学校は25%増えて5388人。計8030人で過去最多を更新した。小学生全体に占める不登校の割合は1.46%、中学生は5.86%と、それぞれ全国平均の1.30%と5.00%を上回った。

 

静岡県では小学1年生から中学3年生まで全ての学年で、昨年度より不登校の数が増えている。年間90日以上欠席している割合は57%と半数を超え、そのうち2割以上は出席日数が10日以下、約7%は1日も出席していない。

 

■不登校の理由は「無気力・不安」が最多 親子や友人関係にも悩み

学校が択一式で不登校の理由を選ぶ項目では、小学生、中学生ともに「無気力・不安」が最も多かった。小学生は次いで、「親子の関わり方」、「生活リズムの乱れ・あそび・非行」となった。一方、中学生は「いじめを除く友人関係をめぐる問題」、「学業の不振」と続いた。

 

県内のいじめ認知件数も現在の定義となった2013年以降、最多となった。小学校で1万5018人、中学校4899人と計1万9917人で、2020年度より7割増加した。

 

いじめ防止対策推進法に基づく「重大事態」の件数は、小学校、中学校、高校、特別支援学校を合わせて16件確認されている。自殺未遂や精神疾患など、生命、心身、財産に重大な被害があったケースは8件、長期間の欠席を余儀なくされたのは10件だった。

 

■いじめ発見は小学校は「アンケート」、中学校は「本人の訴え」が最多

いじめ発見のきっかけ(複数回答可能)は小学校では「アンケート調査など学校の取り組み」が7986件と最も多く、「本人からの訴え」は2610件、「本人の保護者からの訴え」が2020件と続いた。「学級担任が発見」は1068件だった。

 

中学校の上位3つのきっかけは「本人からの訴え」が1457件、「アンケート調査など学校の取り組み」が1301件、「本人の保護者からの訴え」が709件だった。「学級担任が発見」は392件となった。

 

学校に行きたくても、いじめなどが原因で児童生徒が通学できないケースは課題を解決する必要がある。ただ、学校に行くことを絶対的な価値観とするのではなく、フリースクールのように学校以外の居場所作りも大切になる。

 

SHIZUOKA Life編集部)

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