2026/03/16
全ての中学校で同じ「統一制服」へ 静岡市の方針に賛否 「負担減る」「個性を潰す」の声
■物価高や猛暑を考慮 静岡市が2028年度から統一制服導入へ
物価高が続く中、子どもの制服代の負担をどう減らすのか。静岡市は2028年度から、市立中学校で共通の「標準服(統一制服)」を導入する方針を明らかにした。子どもを育てる家庭からは賛否の声が上がっている。
旧ジャニーズ問題でも指摘された「グルーミング」 子どもを操る巧妙な手口
静岡市教育委員会によると、これまで市立中学校では学校ごとに独自の制服を採用してきた。学校の伝統や地域性を背景にデザインが決められてきたが、近年は制服の価格上昇や猛暑への対応など、新たな課題が指摘されていた。
こうした状況を踏まえ、市は制服の在り方を見直すため、2025年夏に児童生徒や保護者、中学校教員を対象にアンケートを実施した。その結果、保護者の84%、教員の85%、生徒の68%が「制服は必要」と回答。さらに、市内で共通の制服を導入することについても、保護者の58%、教員の56%が肯定的な意見を示したという。そして、次のように説明した。
「静岡市立中学校は、これまで学校の伝統や地域社会とのかかわりを踏まえ、学校のアイデンティティの1つとして、多様性への配慮などの時代の要請に応えながら、学校ごと独自に制服を定めてきています。今般の物価高騰の経済状況下における制服等購入に掛かる保護者の費用負担や夏場の体温を超える猛暑日における通学などへの対応の観点から、静岡市教育委員会として、静岡市立中学校における制服の在り方を見直す必要があると考えました」

静岡市教育委員会が入っている清水庁舎
■現在の制服よりも低価格 再利用の活性化も期待
市が導入を検討している標準服は、ブレザーを基本にスラックスやスカート、ポロシャツなどを組み合わせる形を想定している。冬服だけでなく、夏服としてポロシャツなどを選択できる仕様とし、暑さ対策や快適性にも配慮する。価格についても、物価高の状況を踏まえて現在の制服よりも安価な価格帯となるような仕様を目指すとしている。
また、標準服は市内共通の仕様とするため、転居などで学校が変わっても新たに制服を買い直す必要がなくなる可能性がある。リユース(再利用)の活性化にもつながると期待されている。
導入に向けては、教育委員会職員や教員の代表などで構成する「標準服採択決定委員会」を設置し、デザインや仕様を検討する。生徒や保護者の意見も取り入れながら、最終的なデザインを決める予定だ。
スケジュールでは2026年度から仕様やデザインの検討を進め、2027年には制服のデザインを決定する。2028年4月から各中学校で現在の制服と併用する形で標準服の着用を始めるとしている。

写真はイメージ
■「ありがたい」、「時代に逆行」 市民は賛否両論
標準服の導入に対して、市民の間では賛否が分かれている。賛成派からは「学校にかかる金銭的な負担は小さくない。制服が安くなるのはありがたい」、「服装を自由にすると貧富の差が表れてしまう。義務教育の間は全員同じ制服が良いと思う」などの声が上がる。
一方、反対派もいる。市民の中には、「制服を一緒にして個性を潰すのは時代に逆行している。どこの学校か一目で分からないことのデメリットも大きい」、「特定のメーカーに制服を依頼して、そのメーカーが値上げをしても受け入れるしかない。価格競争や他の選択肢がないことは問題」と訴える人もいる。
制服は学校生活の象徴とも言える。物価高や猛暑といった時代の変化を背景に、静岡市の中学校の制服も新たな形へと変わろうとしている。
(SHIZUOKA Life編集部)








