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2023/10/12

設定温度30℃ 体育館に水筒持ち込み禁止 エアコン設置率の低さ以上の問題点

■特別教室のエアコン設置に1億3400万円 静岡市議会で可決

静岡市議会9月定例会は10月11日、一般会計補正予算案など全て議案が可決されて閉会した。予算案には小中学校の特別教室に設置するエアコンに1億3400万円が計上されている。静岡市は特別教室のエアコン設置率が低く、喫緊の課題となっている。ただ、それ以上に市内の小学校に通う保護者の間で問題視されていることがある。

 

静岡市議会で可決された予算案の一般会計は41億1400万円余り。そのうち、小中学校の特別教室に設置するエアコンの費用が1億3400万円を占めた。静岡市にある特別教室のエアコン設置率は36.8%。全国平均の61.4%を大きく下回っている。予算は限られており、学校の耐震化を優先した背景がある。

 

静岡市内の小中学校では、普通教室のエアコン設置はほぼ完了している。ただ、一部の小学校では設定温度について保護者から疑問の声が上がっている。同じ学年でも教室によって設定温度が異なり、中には猛暑日でも設定を30℃にしている教師がいるという。

 

■児童のお願い届かず…猛暑日でもエアコン設定30℃のまま

「暑いから設定温度を下げてほしいと子どもがお願いしても、30℃から変えようとせず、子どもたちには勝手に温度を下げないように言っていたそうです。他の教室では25、26℃になっていたのに、担任に権限があるのでクラスによって設定温度が異なっています」

 

児童は設定温度を変更すると担任に叱られるため、他のクラスの教師にお願いして温度を下げたという。ただ、翌日には再び設定温度が30℃に戻された。

 

このクラスでは、別の日にも他のクラスと違う苦労があった。学年全体で体育館に集まる授業の際、水筒を持っていくことを禁じられたという。その日は熱中症の危険からグラウンドでの体育は中止され、体育館にはエアコンがない。水筒を持ってきた他のクラスの児童は水分補給をする中、問題のクラスだけは暑さに耐えるしかなかった。前出の保護者が口を開く。

 

「エアコンの設定温度も水分補給も学校としての基準がないのか疑問です。他の教師も状況を把握しているので対応できるはずなのに、状況は変わりませんでした。子どもたちが集団で熱中症にでもならない限り、対策を講じないのかもしれません」

 

記録的な暑さ、危険な暑さと連日報道された今夏。エアコンの設置を急ぐよりも取り組むべき問題がある。エアコンが取り付けられても活用できなければ何の意味もない。

 

SHIZUOKA Life編集部)

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