2026/07/13
企業を追い込む「3つの要因」過去最多 静岡県内の倒産126件 負債総額は3割増
■静岡県含む中部の倒産件数 13年ぶりに700件超え
物価高、人手不足、後継者難――。企業を取り巻く複数の課題が重なり、倒産件数が高止まりしている。静岡県内で2026年上半期に発生した企業倒産は126件。前年同期からの増加は2件にとどまった一方、負債総額は3割以上膨らんだ。
「CMでよく見ていたのに」 売上100億円超の中古車販売会社の破産に驚きの声
帝国データバンクが発表した「全国企業倒産集計」によると、静岡県内の倒産件数は前年同期の124件から1.6%増えた。負債総額は196億9400万円で、前年同期の151億2900万円から30.2%増加した。
集計対象は、2026年1月から6月までに法的整理となった負債1000万円以上の企業。静岡県内の主な事例には、中古車販売を手がけたプラウドの破産があり、負債は31億5300万円だった。元・輸入車正規ディーラーの東名モーターサービスも、負債12億5500万円を抱えて6月に破産している。
帝国データバンクの地域区分で、静岡県を含む「中部」の倒産件数は712件だった。前年同期の654件から8.9%増え、上半期としては2013年以来、13年ぶりに700件を超えた。

3種類の低価格で中古車を販売したプラウドも破産
■全国の倒産件数5335件 上半期5000件以上は2年連続
中部は山梨、長野、岐阜、静岡、愛知、三重の6県。県別では愛知県が347件で最も多く、静岡県126件、岐阜県103件、三重県58件、長野県52件、山梨県26件と続いた。前年同期比では山梨県が85.7%増、岐阜県が39.2%増となった一方、三重県は3.3%減少した。
愛知県では、携帯電話ショップ運営会社などを傘下に持つトーシンホールディングスが、負債162億円を抱えて5月に会社更生法の適用を申請した。過年度決算で売上高の過大計上や、売掛金、棚卸資産の架空計上・水増しなどの不正会計が発覚しており、2026年初の上場企業倒産となった。このほか、負債120億円のゴルフ場運営会社、三河カントリークラブなど大型倒産が相次ぎ、愛知県の負債総額は前年同期から72.8%増加した。
全国では、上半期の企業倒産が5335件に上った。前年同期の5003件から332件、率にして6.6%増え、4年連続で前年を上回った。上半期としては2年連続で5000件を超えている。負債総額は前年同期比6.9%増の7247億3600万円で、上半期として4年ぶりに前年を上回った。上場企業の倒産はトーシンホールディングスの1件だった。
倒産の主因で最も多かったのは「販売不振」の4278件で、全体の80.2%を占めた。販売不振や売掛金回収難、業界不振などを合わせた「不況型倒産」は4350件。上半期として5年連続で前年を上回っている。

12億円を超える負債を抱えて破産した東名モーターサービス
■物価高、人手不足、後継者難による倒産 いずれも過去最多
小規模な企業の行き詰まりも目立つ。負債5000万円未満の倒産は3320件で、全体の62.2%を占めた。個人事業主と資本金1000万円未満の企業を合わせると3875件に上り、構成比は2000年以降で最も高い72.6%となった。
原材料やエネルギー価格の上昇などが影響した「物価高倒産」は、前年同期比23.8%増の556件。集計を開始してから初めて500件を超え、過去最多を大幅に更新した。
経営者の高齢化や事業承継の停滞などを背景とする「後継者難倒産」は16.9%増の312件、人材を確保できず事業継続が困難となった「人手不足倒産」は12.4%増の227件だった。いずれも過去最多となっている。一方、実質無利子・無担保の「ゼロゼロ融資」を受けた後の倒産は19.0%減の256件で、2年連続で減少した。
6月単月でみると、静岡県内の倒産は28件で前年同月と同数だった。負債総額は38億800万円で、前年同月から18.5%増加した。全国の6月の倒産件数は前年同月比18.3%増の1028件。2024年5月以来、約2年ぶりに1000件を超えた。
帝国データバンクは、日銀が6月に政策金利を0.75%から1%へ引き上げた後も円安に歯止めがかかっておらず、輸入物価上昇の影響が時間差で企業の資金繰りに表れる可能性を指摘している。物価高や人手不足、後継者難が重なる中、静岡県内でも下半期の倒産動向が焦点となる。
(SHIZUOKA Life編集部)








