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2026/08/26

調味料メーカーに異変 0件から8件 過去30年で倒産最多 愛知の“うまみのまち”でも

■調味料メーカーの倒産 今年1~7月で8件

みそ、しょうゆ、だし――。毎日の食卓に欠かせない調味料をつくるメーカーに、異変が起きている。前年同期はゼロだったが、今年は7月までに8件の倒産が発生し、1~7月として過去30年で最多となった。“うまみのまち”愛知県半田市のメーカーも含まれている。

 

名古屋で親しまれた洋食屋が破産… 売上高はピーク時の8億円から1.4億円に減少

 

東京商工リサーチによると、今年1~7月に発生した調味料製造業の倒産は8件だった。これまで最多だった2008年の5件を上回った。8件のうち、業歴50年以上の企業は4件と半数を占める。原因別では「販売不振」が6件、「物価高」関連が4件。「人手不足」に関連した倒産も2件あった。調査は負債1000万円以上の倒産を対象としている。

 

倒産した企業の中には、愛知県半田市に本社を置く調味料メーカー「調味」も含まれている。半田市は、食にまつわる発酵文化と深いつながりを持つ。半田市観光協会によると、江戸時代から醸造業で栄え、当時の知多半島では半田を中心に200を超える酒蔵が日本酒を醸造していた。酒造りの副産物である酒粕をさらに発酵させた「粕酢」の量産に成功した土地でもあり、その後は豆みそやたまり醤油などにも発酵技術が広がった。

 

現在も市内では酒蔵やみそ・たまり醤油蔵、酢を手がける食品メーカーが食卓を支えている。半田市も「醸造・発酵のまち半田」を掲げており、観光協会は「半田では、さまざまな蔵から“うまみ”が生まれ、広がっています」とうたっている。

料理の基本となる調味料の「さしすせそ」

■半田市の「調味」が破産 関連会社含めた負債は11億9000万円

そんな“うまみのまち”でも、調味料メーカーの経営破綻が起きていた。「調味」と関連会社2社は6月8日、名古屋地方裁判所から破産手続き開始決定を受けた。3社の負債総額は約11億9000万円に上り、このうち調味の負債は約6億9000万円だった。

 

調味は1976年5月に設立され、旨味調味料やだしの素などを製造していた。水産業界や珍味メーカーなどを主な取引先とし、2008年4月期には年間売上高約17億6600万円を計上した。しかし、東日本大震災で東北地方の拠点が被災し、閉鎖を余儀なくされた。多くの販路を失い、2012年4月期の売上高は約8億3200万円とピーク時から半減。約5700万円の最終赤字となった。

 

その後は年商が10億円を上回る時期もあったものの、業績は低迷した。2025年4月期の売上高は約8億4000万円にとどまった。借入金の返済が重荷となり、関連会社への貸付金の回収も進まず資金繰りが悪化。創業者だった前代表の死去も経営の混乱に拍車をかけ、取引先への支払いに遅れが生じて、昨年12月に事業を停止したという。東京商工リサーチは調味について、コロナ禍による受注減に加え、近年の原材料価格の高騰が響き、事業継続が難しくなったとしている。

 

■製造コスト上昇が重荷 飲食業の倒産も影響

調味料メーカーを取り巻く環境は厳しさを増している。東京商工リサーチによると、輸入原料や食材、製造コストが上昇する一方、商品の値上げには消費者の節約志向や競合商品の価格も影響する。コストが増えても、その分を販売価格に反映できるとは限らない。

 

さらに、居酒屋やラーメン店など、業務用調味料の販売先となる飲食業でも倒産が高水準となっている。メーカー側の原材料高だけではなく、商品を納める取引先を取り巻く経営環境の変化も重なっている。

 

前年同期はゼロだった調味料メーカーの倒産が、今年は7月までに8件に増えた。しかも、その半数は業歴50年以上の企業である。過去30年で最多となった数字の背景には、原材料価格の上昇や人手不足、販売先を取り巻く環境の変化など、複数の要因が重なっている。

 

SHIZUOKA Life編集部)

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