2026/10/31
10月31日で閉店 静岡県の駅前商店街から老舗精肉店も姿消す 営業継続願う署名も
■焼津市の「肉の石割」が閉店 惜しむ声相次ぐ
「石割さん、なくならないで!」。長年親しまれてきた精肉店の閉店を前に、営業継続を願う署名が集まった。静岡県焼津市の焼津駅前商店街にある「肉の石割」が10月31日、最後の営業日を迎える。運営会社は1958年創業の老舗。精肉だけでなく、手作りの総菜や弁当も人気を集めてきた。閉店を惜しむ声は、近隣の店舗からも上がっている。
「日本一の目利き」と評される焼津市の”魚屋さん” ミシュラン店からも絶大な信頼
肉の石割は、JR焼津駅から徒歩約5分の場所にある精肉店。運営する「イシワリ」は1958年に創業し、1965年に「株式会社肉の石割」を設立した。その後、食肉加工品などの製造販売に事業を広げ、1992年に現在の社名へ変更した。焼津駅前商店街の店舗は2004年に全面改装している。
店内には牛肉や豚肉などの精肉に加えて、様々な総菜や弁当が並ぶ。中でも人気を集めてきたのが、焼き餃子やハンバーグ。焼き餃子は国産の肉を使い、一つずつ手作りしている。ハンバーグも国産のひき肉などを使って毎日手でこねて製造。コロッケや焼き豚、ポテトサラダなどもそろえ、日々の食卓を支えてきた。
9月末に10月31日限りでの閉店が発表されると、「こんなに素晴らしい精肉店は他にないので悲しいです」「お弁当もおいしくてよく利用させていただきました」「残念過ぎます」など惜しむ声が相次いだ。その中の1つには、石割の近くにある「坂本接骨院鍼灸院」がある。10月21日に公開したブログで、店への思いをつづっている。

「肉の石割」は10月31日で閉店
■営業継続を願う署名提出 失われる商店街の風景
坂本接骨院鍼灸院によると、初めて訪れる患者から場所を尋ねられた際、肉の石割の向かいにあると説明すると、ほとんどの人がすぐに理解するという。地域での知名度の高さを実感するとともに、自分たちも同じように親しまれる存在になりたいと感じていた。
スタッフも日頃から買い物に訪れており、急に食材などが必要になった際には何度も助けられてきたという。ブログでは、特にお気に入りの商品として手作りコロッケやヒレカツ、生姜焼きを挙げ、気軽に味わえなくなることへの寂しさを明かしている。
さらに、営業継続を願う人たちの署名を集め、運営会社の本社に届けたことも明かしている。営業時間を短くしたり、総菜や弁当だけを販売したりする形でも、店を残してほしいという思いがある。
同院が心配しているのは、商店街のこれからだ。ブログでは、かつて商店街にあった魚屋や八百屋も姿を消したと紹介。今度は精肉店までなくなることになり、買い物の不便さだけでなく、昔ながらの商店街の風景が失われていくことを残念がっている。
運営会社は閉店する具体的な理由を明らかにしていない。店舗では10月19日以降、割引対象外の商品を除いて全品3%引きで販売している。また、サービス券の配布は10月17日で終了し、手元に残っている券は10枚につき30円引きで利用できるとしている。
創業から68年の歴史を持つ会社の原点でもある「肉の石割」。閉店するのは焼津駅前商店街の小売店舗で、運営会社そのものが事業を終えるわけではない。それでも、買い物に訪れる人たちにとって、いつもの場所にいつもの店がある風景は10月31日で一区切りとなる。
■店舗概要
店名:肉の石割
住所:焼津市栄町4-3-6
営業時間:午前9時半~午後6時
(SHIZUOKA Life編集部)








