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2022/12/26

静岡県民「生活レベル満足度」最近10年で最低 不満のワケは? 家計引き締めは半数超

静岡県民の半数以上が家計を引き締めると回答

■景気悪化の実感は72.8% 1年前の45.3%から大幅増加

静岡県民の生活レベル満足度が、過去10年間で最低となる調査結果が発表された。景気悪化を感じている県民は7割以上。物価が上昇する一方で収入は増えず、家計を圧迫している実情が浮き彫りになっている。

 

静岡経済研究所は、毎年実施している静岡県民の消費動向アンケートの結果を公表した。アンケートは11月に実施し、1200人のうち1034人から回答があった。

 

最近の景気については「悪くなっている」と回答した割合が72.8%と、1年前の45.3%を大きく上回った。「良くなっている」は0.7%で昨年から1.2ポイント減り、「とくに変わっていない」は26.5%と26.3ポイント減少。景気後退が如実に表れた。

 

「満足」+「どちらかというと満足」から、「不満」+「どちらかというと不満」を差し引いた「世帯収入の満足度」はマイナス21.3ポイント。昨年のマイナス6.8ポイントから大幅に下落した。

 

■「満足度」過去最低で家計引き締めは半数以上

「生活レベルの満足度」も昨年の27.6ポイントから10.4ポイントに急降下。いずれの満足度も過去10年で最も低くなった。

 

世帯収入の満足度の低さは、家計支出の動向にも表れている。今後1年間の家計支出の見通しについて、「かなり引き締め」は10.6%、「多少引き締め」は42.1%。合わせて52.7%と、消費税が10%に引き上げられた直後の2019年以来、引き締めの傾向が半数を超えた。

 

家計引き締めの理由は、「商品・サービスの値上がり」が最も多い65.8%と、昨年の35.7%を大きく上回った。世代別でも、30代以下から60代以上の全てで60%を超えている。その他の項目では、「将来に備えた貯蓄の増加」が38.7%、「手取り収入の減少」が34.8%と続いている。

 

値上がりが特に家計に響く項目では、「毎日の食費」が92.7%でトップ。次いで、「水道・光熱費」82.6%、「交通費(ガソリン代など)」75.4%、「外食費」46.7%、「通信費」45.0%だった。

 

■ポイ活と必要最小限の買い物で家計の負担軽減

こうした家計への負担を軽減するため、購入する物の選定やポイントの活用が定着している。行動の変化に関する質問では、「必需品以外はできるだけ買わない」、「出かける前に買う物を決めておく」、「ポイントをためる・使う」の3項目で、すでに約8割が実行している。

 

静岡経済研究所は「様々な商品の値上げで支出が増加する中で収入が増えず、家計の圧迫感は高まる一方」と指摘。そして、「家計を引き締める意向は強まっており、節約行動がますます顕在化すると考えられる。県内事業者は世帯の価値観や行動の変化に機微に対応する創意工夫が求められる」と分析している。

 

SHIZUOKA Life編集部)

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