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2023/04/30

熱海土石流と同じ条件の箇所も 静岡県に不適切な盛り土163か所 最多は富士市

静岡県は不適切な盛り土の情報を公表

■県内の不適切な盛り土 76%が東部地域

静岡県が県内にある不適切な盛り土163か所の情報を公開した。市町別では富士市が最も多い25か所で、県東部が全体の76%を占めた。今すぐに被害を及ぼす崩落につながる盛り土は確認されていないという。

 

2021年に熱海市で起きた土石流災害を受け、県は盛り土の総点検を実施した。その結果、不適切な盛り土を県内207か所で確認し、まだ是正されていない163か所を県のホームページで公表した。一覧には住所や盛り土タイプ、対応状況や違反している法令などが記載されている。

 

市町別では富士市が25か所で最も多く、富士宮市が24か所、沼津市が20か所で続いた。この3市を含む東部地域に区分される14市町で全体の76%を占めた。清水町は東部地域で唯一、不適切な盛り土が1つもなかった。

 

県が情報を公開したのは、不適切な盛り土を抑止する狙いがある。また、周辺住民が不適切盛り土の場所を認識し、大雨の時など避難が必要な時に役立てることができる。県は以下の3つのうち、1つでも該当したものを不適切な盛り土に定義している。

 

①関係法令の必要な手続きがされず、是正が完了していない盛り土

②関係法令の手続きがされているものの、計画と異なる内容で造成され、是正が完了していない盛り土

③関係法令の手続きがされているものの、崩壊などの変状が発生しており、是正が完了していない盛り土

 

■熱海の土石流と同じ条件の盛り土 県内に6か所

熱海市の土石流で崩落した盛り土は、崩れた時の影響が大きい「谷埋」タイプで土砂災害警戒区域の上流域「土石流危険渓流」につくられていた。同じ条件の盛り土は熱海市下多賀大洞と伊豆山、伊東市富戸、沼津市西野、富士宮市羽鮒、静岡市葵区杉尾の6か所あった。

 

静岡県は今すぐに盛り土が崩落し、人的・物的被害が及ぶところは確認していない。今後、安全性把握といった調査を実施した盛り土から随時、危険性などの情報を更新していくという。

 

SHIZUOKA Life編集部)

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