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2023/05/25

教師が粘着テープで児童を椅子に固定する不適切指導 教育現場からは同情の声も

授業中に着席できない児童は小学校共通の課題

■日常的に離席繰り返す児童を椅子に数分間固定 

静岡市の小学校に勤務する教師が、粘着テープで児童の太ももと椅子を巻き付ける不適切な指導をしたと市教育委員会が発表した。この児童は授業中に席を立ち、教師に注意されたが着席しなかったという。静岡県内にある他の小学校に勤務する教師は「許されない指導」としながらも、同情の言葉を口にし、仕組みの問題点を指摘する。

 

市教委によると、不適切な指導は4月下旬に起きた。教師は授業中に席を立った児童を口頭で注意したが席に戻らなかったため、粘着テープで児童の両足の太ももを椅子に数分間固定した。児童にけがはなかった。

 

この児童の同級生の保護者が5月中旬、学校に連絡して事態が発覚。学校は23日に市教委に報告し、児童の保護者に状況を説明して謝罪した。学校による聞き取り調査で、教師は事実関係を認めて反省の言葉を口にした。児童は日常的に離席を繰り返していたという。

 

授業中に席を立つ児童の問題は、他の小学校も直面している。教師が何度注意しても改善しないケースは少なくない。不適切な指導があった学校とは別の静岡県内にある小学校で勤務する教師は「椅子に固定するのは許されない指導」とした上で、「席に座っていられない児童は、どこの小学校にもいると思います。クラスに複数人いる場合もあります」と一定の理解を示す。

 

■現役教師「解決策なく、どうすればいいか分からない」

「着席できない児童に教師が付き切りになれば、当然ながら授業に影響が出ます。座って授業を受けている児童の保護者からは『なぜ、席に座っていられない児童に普通学級で授業を受けさせるのか』、『特定の児童のせいで圧倒的多数の児童が影響を受けるのはおかしい』といった電話がかかってきます。ずっと問題になっているのに解決策がなく、正直どうすればいいのか分かりません」

 

保護者の中には「授業中に着席できない児童は特別支援学級の方が、本人にも他の児童にも良いのではないか」と提案する人もいるという。授業を円滑に進めるには、その方が適していると感じるかもしれない。

 

ただ、特別支援学級と普通学級、どちらのクラスに在籍するか決めるのは児童の保護者で、学校側に決定権はないという。学校側が普通学級から特別支援学級への転籍を保護者に勧めることも基本的には認められていない。

 

市教委は不適切指導をした教師への処分を検討している。処分自体の必要性は否定しない。しかし、どのように対応すれば正解だったのかは見えてこない。処分や謝罪だけでは、根本的な問題解決に近づくのか疑問が残る。

 

SHIZUOKA Life編集部)

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