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2023/07/17

甲子園43回出場の名門・静岡高 14年ぶり初戦敗退 “波乱”とは言えない理由とは

ベーブ・ルースと沢村栄治の銅像が立っている草薙球場

■静岡高が常葉大橘に3-4で敗戦 延長10回タイブレーク

全国高校野球選手権の地方大会は、全国で驚きの結果が相次いでいる。甲子園常連の智辯和歌山(和歌山)や盛岡大付(岩手)などが初戦敗退。静岡市の草薙球場で行われた静岡大会でも17日、県内最多の春夏合わせて43回の甲子園出場を誇るシード校の静岡高校が初戦で敗れた。ただ、地元メディアの記者「波乱とは言えない結果」と分析する。

 

夏の甲子園切符をかけた全国高校野球選手権は、強豪校が次々と地方大会の初戦で姿を消している。最大の衝撃は、2021年に優勝するなど夏の甲子園に5大会連続で出場している智辯和歌山の敗退。さらに、甲子園常連校の盛岡大付や浜田(島根)、東海大相模で4度の甲子園優勝を経験している名将・門馬敬治監督率いる創志学園(岡山)も初戦で敗れた。

 

17日に行われた静岡大会でも名門校が初戦で散った。第5シードの静岡高が常葉大橘に3-4で敗戦した。タイブレークとなった延長10回、2死二、三塁からタイムリーヒットで2点を勝ち越され、その裏の攻撃は1点止まりだった。春夏合わせて甲子園に43回出場している静岡高が夏の地方大会で初戦敗退するのは2009年以来、14年ぶりとなった。

 

静岡高の敗戦は“波乱”と思われがちだが、決して大番狂わせが起こったとは言い切れない。常葉大橘も甲子園出場経験があり、阪神・高橋遥人投手や元広島・庄司隼人さんらプロ野球選手を輩出している。昨秋の県大会では準優勝している。地元メディアの記者は静岡高校の初戦敗退に「意外性はない」と言い切る。

 

■「特徴だった隙のなさ、野球脳の高さを感じない」

「静岡高校からはプロ野球や社会人で活躍する選手が多数生まれていますが、今年と昨年のチームを見ると突出した能力のある選手はいません。また、数年前まで王者と言われていた静岡高校の特徴だった隙のなさ、野球脳の高さを感じません」

 

静岡高校は2015年の選抜高校野球大会でベスト8入りするなど、2019年までの6年間で春夏合わせて6度の甲子園出場を果たしている。個々の選手の能力だけではなく、相手の隙を突く打撃や走塁、勝負所で一気に畳みかける攻撃、堅い守備と負けない強さがあった。また、前出の記者はシード校にとっての初戦の難しさも指摘する。

 

「夏の大会は負けたら3年生の高校野球が終わります。思い入れが強い分、力が入りやすい。初戦となれば、なおさらです。一方、シード校と対戦するチームは1回戦を勝ち上がっているため、自然体で戦えます。シード校に挑戦する立場なので思い切ってプレーできる心理的なメリットもあります。常葉大橘は2回に2点を先制したことで、静岡高校に大きなプレッシャーをかけました」

 

■シード校にとって“鬼門” 昨夏は第1シードが初戦敗退

シード校にとって初戦は鬼門と言える。初戦の難しさに加えて、今回の静岡高にとっての常葉大橘のように、力のあるチームと戦うケースも多い。今大会では掛川西が静清に逆転勝ち、日大三島が知徳に2-0の辛勝と苦労した。

 

昨夏は春季東海大会で優勝した第1シードの浜松開誠館が初戦で、センバツで落選して騒動となった聖隷クリストファーに5-10で敗れた。2019年はシード校の飛龍が2017年の夏の甲子園に出場した藤枝明誠に初戦で負けている。

 

シード校にとって夏の大会の初戦は特に難しい。静岡県内で甲子園最多出場を誇る静岡高も例外ではない。

 

SHIZUOKA Life編集部)

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