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2023/07/20

島田市出身の永井沙耶子さんが直木賞受賞 ルーツとなった伝統の島田帯まつりとは

島田市伝統の帯まつり(島田市HPより)

■歌舞伎題材の時代小説 きっかけは帯祭りのおはやし

第169回直木賞が19日に発表され、静岡県島田市で生まれた永井沙耶子さんの「木挽町のあだ討ち」が選出された。永井さんが小説の題材とした歌舞伎に興味を持つきっかけとなったのが、地元の伝統行事「帯まつり」のおはやしだったという。

 

静岡県にゆかりのある作家が直木賞を受賞するのは、1982年の第87回に「時代屋の女房」が選ばれた村松友視さん以来となった。静岡県生まれとしては、1980年に選出された伊東市出身の志茂田景樹さん以来の快挙だった。

 

「木挽町のあだ討ち」は歌舞伎が題材となっている。永井さんは直木賞の受賞会見で、歌舞伎に関心を抱いたきっかけに「帯まつりのおはやしの音」を挙げ、「自分のルーツがある場所を作品に描けて良かったです」と語った。

 

帯まつりは3年に1度、10月に開催される。安産の神として信仰される大井川神社の祭りで、1695年に始まった。昨年で110回に上る地元の伝統行事となっている。

 

■美しい帯を太刀にさげる大奴 大名行列が特徴

拍子木を先頭に鉄砲隊、大奴、大鳥毛など続き、島田市街地へ大名行列が行われる。大奴は他の地域にはない島田ならではの特徴で、大奴は腰に差した太刀に美しい帯をかけて優雅に歩く。

 

帯祭りの正式名称は島田大祭。現在のように、帯まつりと一般的に呼ばれるようになったのは、島田宿に嫁いできた女性に由来する。当時、新婦は嫁入りの丸帯を持って町中の全戸に挨拶回りする習慣があった。

 

ただ、その範囲は広かったため苦労していたという。そこで、安産の神を信仰する大井川神社の神輿の行列で、大奴の太刀に帯をさげて披露するようになった。

 

そして、その帯を全国の帯業者が見物に来るようになり、帯は流行を意識した派手なものへ変わっていった。帯は島田大祭の象徴となったのだ。帯まつりは奇祭と言われるが、神輿の前を歩きながらお祓いをする大奴の姿が奇妙に映ったことが理由だという。大奴の動きは足から指先まで正確に現在まで継承され、静岡県の無形民俗文化財に指定されている。

 

SHZUOKA Life編集部)

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