7月に沼津市で上演された磯村さんの舞台（提供：沼津市）

■8月15日から開始　沼津市で磯村勇斗さんの企画展

あの感動を、もう一度。沼津市で15日から、俳優・磯村勇斗さん出演の舞台を振り返る企画展が始まる。写真パネルのほか、舞台セットの再現やダイジェスト映像など、舞台の感動を味わえる内容となっている。

沼津市は7月22日、市制100周年を記念して、地元出身の磯村勇斗さんの舞台と座談会「きらり沼津。磯村勇斗と～新しい100年へ～」を開催した。舞台はロシアの劇作家アントン・チェーホフの戯曲「プロポーズ」の日本語版で、磯村さんが出演に加えて台本も担当した。

沼津市は、この舞台の感動を再現して多くの人に届けようと、8月15日から企画展「夢の舞台への軌跡と新たな夢のはじまり」を開催する。会場の沼津市民文化センターに写真パネル、ダイジェスト映像、舞台セットの再現、舞台で使用した小物などを展示する。企画展開催にあたり、磯村さんの映像メッセージも公開するという。

磯村さんの俳優の原点は沼津市にある。高校生の時に地元の劇団「沼津演劇研究所」に自ら連絡して、劇団員となった。今回、当時出演した舞台を所属していた劇団員と一緒に13年ぶりに上演。「もう一度、沼津の舞台に立つ」という磯村さんの夢が現実になった瞬間だった。

■観覧希望者は定員の3倍　来場できなかった人にも感動を

舞台を見た観客からは「磯村さんが沼津を思う気持ちが強く伝わってきた」、「磯村さんが夢を叶える瞬間に立ち会えて光栄だった」などの声が出たという。沼津市にとって唯一の心残りは、希望していたにもかかわらず、舞台を観覧できなかった人がたくさんいたことだった。

市が観覧希望者を募ったところ、定員の3倍以上となる2700通を超える応募があった。座席に限りがあるため、観覧者を抽選で決めざるを得なかった。そこで、市は「来場できなかった方々にも感動を共有していただける機会を提供したいと思いました。来場していただいた方にも、あの日に再び戻っていただき、ステージの感動を多くの方々に届けたい」と企画展の開催を決めた。

企画展は8月15日から24日まで（21日は休館日）、沼津市民文化センター展示室で行われる。入場は無料。舞台の感動が写真パネルや映像で再現される。

（鈴木　梨沙／Risa Suzuki）